肺化膿症の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年  11月 1日

更新日:2022年  11月 3日

本日は肺化膿症について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 肺化膿症とは
  • 肺化膿症の原因
  • 肺化膿症の症状
  • 肺化膿症の改善方法
  • 肺化膿症のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

肺化膿症は、肺の組織が破壊されて膿がたまった状態のこと

肺化膿症は、肺の組織が破壊されて膿がたまった状態のことです。肺が炎症を起こし、肺組織の構造が破壊されて空洞ができ、その部分に膿がたまるのです。

 

高齢者やアルコール依存症の人など、何度も誤嚥を繰り返す人に起こることが多いです。

肺化膿症の原因は、肺の中に細菌が入り込むこと

肺化膿症の原因は、肺の中に細菌が入り込むことです。肺の中に細菌が入って炎症が起き、肺の組織が破壊されて発症するのです。多くの場合は、誤嚥と関係して肺に細菌が潜り込みます。

 

空気の通り道と食事の通り道は食べ物を飲み込んだ時に誤って食事や唾液などが肺の中に入り込まないようにそれぞれ分断されています。しかし、高齢者などは誤嚥を防ぐ機能が衰えることがあります。

 

誤嚥の機能が衰えると、口腔内の唾液や食物などが気道の中に誤って入り、肺炎や肺化膿症につながることがあるのです。

 

肺化膿症は、肺以外の場所で発症した感染症によって細菌の塊が血液の流れに乗って肺に運ばれ、発症することもあります。

肺化膿症は、気管支や肺の組織の炎症や拡張が起こり、粘液や細菌がたまりやすくなる状態です。この病態の主な原因は、以下のような要素によって引き起こされます。

 

慢性気道感染症:肺化膿症の最も一般的な原因は、慢性的な気道感染症です。細菌やウイルスによる反復的な感染が起こることで、気管支や肺の組織が炎症を引き起こし、病変が進行します。感染は通常、上気道感染症(風邪やインフルエンザ)から始まり、気道内の炎症や粘液の過剰分泌を引き起こします。

 

先天的な欠陥:一部では、先天的な欠陥が肺化膿症の原因となることがあります。先天的な気道形態の異常や免疫機能の欠陥により、気道の排液や免疫機能が低下し、感染や炎症が起こりやすくなります。先天性無力症候群や原発性免疫不全症などが、先天的な肺化膿症の原因となる場合があります。

 

閉塞性の肺の病気:慢性閉塞性肺の病気(COPD)や気管支喘息など、気道の閉塞や狭窄を伴う病気も肺化膿症の原因となる可能性があります。閉塞性肺の病気により、気道の通気が悪化し、粘液の滞留や感染のリスクが高まります。

 

免疫機能の低下:免疫機能の低下は、肺化膿症の原因となる可能性があります。免疫機能が低下すると、感染症に対する防御機能が低下し、細菌やウイルスによる感染がより重症化しやすくなります。免疫機能の低下は、先天的な免疫不全症や後天的な免疫抑制法の副作用として起こることがあります。

 

喫煙:喫煙は肺化膿症のリスク因子とされています。喫煙により、気道の炎症や粘液の排出能力が低下し、感染や炎症が促進されます。長期的な喫煙によって、肺化膿症の発症リスクが増加することが知られています。

 

外傷や感染源:外傷や感染源による肺の損傷も肺化膿症の原因となることがあります。例えば、肺炎や結核などの感染症や、肺に直接的な外傷(外傷性肺損傷や喀血など)がある場合、気管支や肺の組織が損傷を受け、炎症や拡張が生じることがあります。

 

これらの要素が複合的に関与することで、肺化膿症が引き起こされることがあります。

肺化膿症の症状は、発熱や痰、咳など

肺化膿症の症状は、発熱や痰、咳などです。膿がたまる部位によって、胸の痛みが現れることもあります。

 

発症してからの経過は原因となる菌によって違います。数週間の経過でゆっくりと病気が進むこともあれば、数日の間に強く呼吸障害が現れることもあります。

 

肺化膿症は、高齢者や寝たきりの人に発症することも多く、その場合は明らかな呼吸器症状がわかりにくいこともあります。何となく元気がない、体重が減ってきたなどの肺と関係ないように思える症状が現れることもあるのです。

肺化膿症は、気管支や肺の組織の慢性的な炎症や拡張によって引き起こされる病気です。この病態にはさまざまな症状が現れることがあります。

 

慢性的な咳嗽:肺化膿症の最も一般的な症状は、慢性的な咳嗽です。この咳嗽は持続的であり、特に朝起きた時や寝る前に悪化する傾向があります。咳は痰を伴い、痰は黄緑色や膿様であり、臭いや異臭を伴うこともあります。

 

痰の増加:肺化膿症を発症している人は、痰の増加や痰の排出困難を経験することがあります。痰は粘り気があり、一般的に黄緑色や膿様で、時に血液が混じることもあります。痰が異臭を放つこともあります。

 

呼吸困難:肺化膿症による気道の損傷や炎症により、呼吸困難が生じることがあります。特に身体活動や運動時に息切れや苦しさを感じることがあります。呼吸困難は症状の進行に応じて悪化する場合もあります。

 

頻繁な気道感染:

肺化膿症では、頻繁な気道感染を経験することがあります。細菌やウイルスによる感染が気道で繰り返し起こり、炎症や病変を引き起こします。これにより、発熱や咳嗽、痰の増加などの症状が現れます。

 

体重減少や倦怠感:

肺化膿症の進行に伴い、体重減少や倦怠感が現れることがあります。慢性的な炎症や気道感染により、食欲不振や栄養吸収の障害が生じることが原因です。

 

胸部痛:

肺化膿症の進行により、胸部痛が現れることがあります。炎症や気道の拡張により、胸部に圧迫感や不快感が生じることがあります。また、気道内の感染や病変が痛みを引き起こすこともあります。

 

血痰:

肺化膿症の進行により、痰に血液が混じることがあります。気道の損傷や感染が進行することにより、気道内の血管が破れ、血痰が生じることがあります。血痰は一時的であることもありますが、長期的に続く場合は医師に相談する必要があります。

 

循環器系の症状:

肺化膿症では、循環器系の症状を経験することがあります。これは肺の炎症が心臓に影響を与えることが原因です。例えば、心悸亢進やめまい、失神などの症状が現れることがあります。

 

これらの症状は肺化膿症の進行度合いや個人によって異なる場合があります。

肺化膿症の改善方法は、抗生物質を使うこと

肺化膿症の改善方法は、原因となる細菌に対して効果を発揮する抗生物質を使うことです。膿の形成が強く、抗生物質だけでは改善がみられない場合は、膿を出すために針を皮膚から刺したり手術をしたりすることもあります。

 

誤嚥性肺炎と肺化膿症の発症は関係があるため、飲み込みを改善させるためにリハビリテーションを行うことも大切です。何度も誤嚥を起こしてしまう場合には、とろみを付けるなどして食事を工夫することも必要になります。

肺化膿症の改善方法は、病態の進行度合いや症状の重症度に基づいて個別に設計されます。炎症の抑制、感染の管理、症状の緩和、および合併症の予防です。

 

感染管理:肺化膿症による感染を管理することは重要です。感染管理のアプローチには以下の要素が含まれます。

抗生物質の使用:感染症の改善方法には、適切な抗生物質が処方されます。感染の種類や重症度に応じて、抗生物質の種類や期間が調整されます。

予防接種:肺化膿症は肺炎球菌やインフルエンザなどの感染症に対する予防接種を受けることが推奨されます。

粘液排出の促進:肺化膿症による痰の排出を促進することも重要です。

呼吸リハビリテーション:咳嗽や痰の排出を助けるための呼吸リハビリテーションが行われることがあります。呼吸筋のトレーニングや気道クリアランス技術(例:気道振動装置や吸引)が使用されます。

炎症の抑制:肺化膿症による慢性的な炎症を抑制することが目指されます。

抗炎症薬の使用:炎症の抑制には、ステロイドや非ステロイド性抗炎症薬が使用される場合があります。ただし、個々の症例に応じて使用されるべきです。

合併症の管理:肺化膿症にはさまざまな合併症が関連しているため、これらの管理も重要です。

気道出血の制御:気道出血がある場合は、止血措置が行われることがあります。

感染合併症の予防:肺化膿症による感染合併症(例:脓疱症)の予防と改善が行われることがあります。

気管支拡張の制御:気管支拡張を伴う場合は、適切な改善が行われることがあります。

健康管理と予防策:健康管理と予防策の取り組みも肺化膿症の改善に不可欠です。

充分な栄養摂取:バランスの取れた食事と適切な栄養摂取を心がけることが重要です。

禁煙:喫煙は肺化膿症の進行を悪化させるため、喫煙を避けることが重要です。

適度な運動:適度な運動は肺機能の維持と全身的な健康に役立ちます。

定期的なフォローアップ:

肺化膿症では定期的なフォローアップを受ける必要があります。医師の指示に従って、定期に胸部X線などで調べたりや心理的サポートを受けたりすることが重要です。

肺化膿症の改善方法は個々の症例に合わせて設計されるべきです。医師の指導のもとで適切な方法が選択され、症状の改善と合併症の予防に取り組まれます。

はっきりとした症状がないまま病気が進んでいくこともある

肺化膿症は、はっきりとした症状がないまま病気が進んでいくこともあります。そのため、少しでも気になることがあれば病院に行くことをおすすめします。

 

さらに、口腔内の環境が悪いことは、症状の悪化につながります。口腔内を清潔を保つことも大事です。

肺化膿症の改善例

肺化膿症の改善は、症状の重症度や原因に基づいて個別に設計されます。例として、山田太郎さん(仮名、55歳、喫煙歴あり)の場合を考えてみましょう。

山田太郎さんは持続的な咳嗽、痰の増加、息切れなどの症状を訴えて病院に行きました。医師は詳しい病歴を取り、胸部X線、気管支鏡検査、痰の培養などを実施し、肺化膿症の判断を下しました。

山田太郎さんが喫煙していることが判明したため、まずは喫煙の中止を促しました。医師は喫煙のリスクを説明し、禁煙プログラムやニコチン置換法などの支援を提供しました。

山田太郎さんの痰の培養結果から、特定の細菌感染が確認されたため、抗生物質(例:マクロライド系)が処方されました。改善の期間や使用方法についての指示が与えられました。

山田太郎さんは気道清浄化のための方法を学びました。気道振動装置やハフィントンテクニック(ハフィントンバルブを用いた気道の自主清浄法)などの気道クリアランス技術が指示され、適切な使い方を教えられました。

山田太郎さんは呼吸リハビリテーションのプログラムに参加しました。呼吸筋トレーニングや適切な姿勢の維持、気道清浄化の技術などが指導され、痰の排出と呼吸の改善を図りました。

山田太郎さんは肺炎球菌やインフルエンザなどの予防接種を受けるように勧められました。これにより、感染症のリスクを減らし、合併症の予防に貢献することが期待されました。

山田太郎さんは定期的に医師のフォローアップを受けました。肺機能テストや胸部X線などの検査が実施され、改善の効果や症状の変化がモニタリングされました。また、計画の調整や必要な場合の専門家の紹介も行われました。

 

改善の効果は個人によって異なります。

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