巨大結腸症の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2023年 1月 2日

更新日:2024年 3月 6日

本日は巨大結腸症について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 巨大結腸症とは
  • 巨大結腸症の原因
  • 巨大結腸症の症状
  • 巨大結腸症の改善方法
  • 巨大結腸症のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

巨大結腸症は、結腸の蠕動運動が正常に行われず、腸が大きく膨らむ

巨大結腸症は、結腸の神経の異常や何らかの炎症性の病気などの病気が原因で、結腸の蠕動運動が正常に行われず、腸が大きく膨らむ病気です。

 

結腸は、胃や十二指腸、小腸を通って消化された食べ物から水分や電解質を吸収して便を作っています。水分を吸収されて固形物に便は、結腸の蠕動運動によって直腸に運ばれて便を外に出します。

 

蠕動運動が何かの原因で正常に行われなくなると、結腸の中に多くの内容物や空気がとどまってしまいます。

 

通常、結腸は蠕動運動を行うため狭く縮まった形です。しかし、結腸は非常に進展性がある臓器のため、内容物や空気がたまると大きく膨らむことがあるのです。そして大きく膨らんだ巨大結腸症を発症するのです。

巨大結腸症の原因には、先天性の場合と後天性の場合がある

巨大結腸症の原因には、先天性の場合と後天性の場合があります。

 

先天性の巨大結腸症の原因は、RET遺伝子の機能が失われていることです。結腸の蠕動運動に必要な神経細胞が欠けているために発症すると言われています。先天性の巨大結腸症はヒルシュスプルング病と呼ばれることもあります。

 

後天性の巨大結腸症は、症候性巨大結腸症と原因がわからない特発性巨大結腸症に分けられます。

 

症候性巨大結腸症は幼児期の場合心因性が原因のことが多く、成人では、心臓病や筋肉や神経の病気、膠原病、代謝異常や感染症、外傷などが原因のなります。また、長い期間、向精神薬を使うことで発症することもあります。

 

潰瘍性大腸炎や感染症、結腸のバリウムや内視鏡などが原因で巨大結腸症を発症することもあります。この場合は、中毒性巨大結腸症と呼ばれます。

巨大結腸症は、結腸の一部または全部が異常に拡張し、機能不全を起こす状態を指します。この状態は先天的または後天的な要因によって引き起こされることがあり、原因によって複数のタイプに分類されます。

 

先天性巨大結腸症(先天性メガコロン、ヒルシュプルング病)

原因: 先天性巨大結腸症は、通常、神経細胞の欠如によって引き起こされます。これらの神経細胞は、結腸の運動を制御するために必要で、その欠如により結腸の一部が正常に収縮できず、便の通過が阻害されます。

遺伝: ヒルシュプルング病は遺伝的要因が関与していることがあり、特定の遺伝子変異が関連しています。

 

後天性巨大結腸症

原因: 後天性巨大結腸症は、長期間の便秘、腸の感染症、または他の医学的状態など、さまざまな原因によって引き起こされることがあります。

クローン病や潰瘍性大腸炎: 炎症性の腸の病気によっても巨大結腸症が引き起こされることがあります。

シャーガス病: 中南米で見られるトリパノソーマ・クルージによる感染症で、神経細胞が破壊され、結腸が拡張することがあります。

 

他の要因

薬物: 一部の薬物、特に長期間使用される鎮痛剤や向精神薬など、腸運動を抑制する薬剤によっても後天性巨大結腸症が引き起こされることがあります。

心理的ストレス: 過度のストレスや心理的な要因も、腸の動きを悪化させる原因となることがあります。

症状は、腸管の中に大量のガスが溜まり腹部が大きく膨れること

巨大結腸症の症状は、腸管の中に大量のガスが溜まって腹部が大きく膨れることです。先天性の場合は、新生児期や乳児期から便秘が起きます。

 

症状が重い場合は、過剰に腸管が伸展するため、血行が悪くなり壊死が起きたり腸管に穴が開いたりすることもあります。

 

症候性巨大結腸症の場合は、腹部が大きく膨れることに合わせて、腹痛や嘔吐も見られます。さらに、水分を吸収する大腸が正常な働きをしなくなることによって、脱水症状になることもあります。

 

症状が重い場合は、盲腸が起きたり右側の大腸に穴が開いたりすることもあります。中毒性巨大結腸症の場合は、腹部が大きく膨れること、腹痛、嘔吐に合わせて、発熱や脱水、神経症状も起こります。

巨大結腸症は、結腸が異常に拡張し、通常よりも大きくなる状態を指します。この状態には先天性と後天性の両方があり、症状はその原因や結腸の拡張の程度によって異なります。巨大結腸症に関連する主な症状には以下のようなものがあります。

 

腹部の症状

腹部膨満: 結腸内に便が滞留し、腹部が膨らむことがあります。

便秘: 便の通過が困難になり、便秘が慢性化します。極端な場合、数週間にわたって便が出ないこともあります。

腹痛: 結腸の拡張や便秘により、不快な腹痛を感じることがあります。

排便困難: 排便時に過度の努力が必要になることがあります。

 

一般的な症状

体重減少: 栄養素の吸収不良や食欲不振により、体重が減少することがあります。

食欲不振: 腹部膨満感により、食欲が低下することがあります。

疲労感: 栄養不良や慢性的な便秘により、体が疲労しやすくなることがあります。

 

ヒルシュプルング病に特有の症状(先天性巨大結腸症)

新生児期の便通遅延: 生後24〜48時間以内に便を排泄しない。

嘔吐: 新生児や乳幼児が胆汁性の嘔吐を示すことがあります。

腹部の膨張: 新生児期に腹部の著しい膨張を示すことがあります。

 

後天性巨大結腸症の症状

後天性巨大結腸症の症状は、その原因によって異なりますが、便秘、腹部膨満感、腹痛などが一般的です。慢性的な便秘が続くことによって結腸が徐々に拡張し、症状が現れます。

巨大結腸症の改善方法は、手術

巨大結腸症の改善方法は、手術です。先天性の場合は、手術によって神経細胞が欠けている腸管を取り除くことでのみ改善を行うことが可能です。

 

後天性の場合は、原因となっている病気の改善を行うことが大事です。症状を改善するために、肛門から減圧チューブを入れて巨大になった結腸の中に溜まった便や空気を外に出す方法を行うこともあります。

巨大結腸症の改善は、症状の原因に基づいて異なります。ここでは、先天性巨大結腸症と後天性巨大結腸症の改善法について説明します。

 

先天性巨大結腸症の改善

ヒルシュプルング病の改善は通常、外科手術によって行われます。手術の目的は、神経細胞が欠如している結腸の部分を取り除き、正常に機能する結腸を肛門に繋げることによって、自然な排便を可能にすることです。

 

プルスルー手術: 最も一般的な方法で、異常な結腸の部分を切除し、健康な結腸を肛門に直接繋げます。この手術は、生後数か月の乳児に行われることが多いです。

一時的なストーマの造設: 重症のケースでは、一時的に大腸の一部を腹壁に開口させるストーマを造設し、その後、プルスルー手術を行うことがあります。

 

後天性巨大結腸症のの改善

後天性巨大結腸症の改善は、症状の原因によって異なりますが、通常は以下のような方法が含まれます。

 

薬: 慢性便秘を管理するために、下剤、便を軟らかくする薬、あるいは腸の動きを促進する薬が処方されることがあります。

食生活の改善: 高繊維食の摂取を増やし、水分を十分に摂ることで、便秘を緩和することができます。

腸洗浄: 重度の便秘の場合、腸内を洗浄するために腸洗浄を行うことがあります。

手術: 結腸の拡張した部分を切除する手術が必要な場合もあります。これは、薬や食生活の改善による改善が効果を示さない場合に検討されます。

 

シャーガス病による後天性巨大結腸症

シャーガス病による巨大結腸症の場合、抗寄生虫薬による改善が行われることがありますが、結腸の拡張を引き起こした損傷は不可逆的な場合が多いです。そのため、症状の管理と合併症の予防に焦点を当てた方法が必要になります。

巨大結腸症の改善における薬は、主に症状の緩和、特に便秘の管理と腸の動きの改善に焦点を当てています。後天性巨大結腸症の改善に用いられる主な薬物の種類、効果、および使用される場面について詳しく説明します。

 

下剤

効果: 腸の内容物を柔らかくして排便を促進します。

使う場面: 慢性便秘や排便困難がある場合に処方されます。

 

オスモラル下剤: マグネシウム含有製剤やポリエチレングリコールなどがあり、腸内に水分を引き込み便を柔らかくします。

刺激性下剤: センナやビサコジルなど、腸壁を刺激して腸の収縮を促進します。

 

便を軟らかくする薬

効果: 便を軟らかくして排便を容易にします。

使う場面: 便が硬くて排便困難がある場合に使用されます。

 

ドコサテナトリウム: 便を軟化させることで排便を助けます。

 

プロキネティック薬

効果: 腸の運動を促進し、腸内容物の通過を改善します。

使う場面: 腸の運動が低下している場合に使用されます。

 

メトクロプラミド: 胃腸の運動を促進しますが、巨大結腸症における効果は限定的で、使用は注意が必要です。

 

その他の薬物

腸内フローラを改善するプロバイオティクスや食物繊維のサプリメントも、腸の健康を支援し、便秘の管理に役立つ場合がありますが、これらは直接的な薬とは異なります。改善に使う薬の選択は、個々の症状や巨大結腸症の原因に基づいて行われます。

巨大結腸症が6ヶ月以上改善せずに続いてしまうと

先天的な巨大結腸症の場合は、改善するために手術が必要です。後天的な巨大結腸症の場合は、原因となっている病気を早い段階で改善することによって、予後は良好であると言われています。

 

しかし、巨大結腸症が6ヶ月以上改善せずに続いてしまうと結腸膨張が不可逆的になり、後天的な場合でも改善のために手術を行うことが必要になります。

巨大結腸症に効果的なツボ

・天枢

大腸兪

湧泉

天枢

天枢は、胃腸の機能を左右するツボです。胃腸の働きを活発にする効果があり、食欲増進や胃もたれ、消化不良、食べすぎや飲みすぎに効果を発揮します。

 

消化器系や泌尿器系の機能促進に対して効果があるツボなのです。慢性の胃腸病や便秘、下痢にも効果的です。

大腸兪

大腸兪は、腸の働きを正常にする効果があるツボです。食あたりや冷え、ストレスなど色々な原因によって起こる下痢や便秘の症状の改善に効果的です。

 

他にも、肛門の病や皮膚病、湿疹などに効果を発揮します。

湧泉

湧泉は、自律神経の働きを整えて腸の緊張をほぐしてくれる効果があります。 命の泉が湧くといわれているツボでもあり、全身の疲れを回復してくれます。

 

不眠やむくみの解消や、下半身の冷えなどに効果的です。

ツボの位置と押し方

天枢

天枢は、へそから指3本分外側に進んだ場所に左右両側にあります。

 

押すときは、人差し指と中指と薬指の指の腹を使います。ゆっくりと呼吸をしなが強く押しすぎないように注意して押しましょう。

大腸兪

大腸兪は、背骨と左右の骨盤のラインが交わる場所にあるツボです。背骨から左右に指2本分外側にあります。

 

押すときは、親指を使います。左右のウエストに手を回して左右同時に押しましょう。

湧泉

湧泉は、足でグーをした時に足の裏でいちばんへこんでいる場所にあります。

 

押すときは両手の親指でおします。ゴルフボールで押したり青竹の上に乗って足踏みをしたりする方法も効果的です。

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