汎発性腹膜炎の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年 4月 2日

更新日:2022年 5月 1日

本日は汎発性腹膜炎について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 汎発性腹膜炎とは
  • 汎発性腹膜炎の原因
  • 汎発性腹膜炎の症状
  • 汎発性腹膜炎の改善方法
  • 汎発性腹膜炎のまとめ
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銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

汎発性腹膜炎は、腹膜に内臓の炎症が及ぶことによって起こる腹膜炎

汎発性腹膜炎は、腹膜に内臓の炎症が及ぶことによって起こる腹膜炎です。腹膜は内臓を覆っている膜のことで、腹膜に囲まれた空間は腹腔です。そのため、汎発性腹膜炎では急激に腹腔全体に炎症が広がります。

 

汎発性腹膜炎を発症した場合、緊急で手術を行うことが必要になります。そのため、できるだけ早く原因を調べることが大事です。血液を調べたりCTを行ったりしたあと、体のいろいろな部分を調べることになります。

原因の多くは、消化管穿孔が起き内容物が腹腔に漏れて広がること

汎発性腹膜炎の原因は、消化管穿孔が起き、中の物が腹腔の中に漏れて広がることです。消化管穿孔は、消化管の壁に穴が開くことです。

 

他にも、胆のうや膀胱などに穴が開くことが原因で発症することもあります。

 

消化管の壁に穴がないにもかかわらず発症する腹膜炎もあります。この場合は、特発性細菌性腹膜炎といい、特に肝硬変によって腹​水がある場所で見られることが多い腹膜炎です。

 

特発性細菌性腹膜炎の原因は、腹腔の中に細菌が入り込むことです。

汎発性腹膜炎は、腹膜が急性に炎症を起こす病態で、生命に危険を及ぼす可能性があります。この状態は通常、腹部の臓器の一つが破裂したり、感染したりすることで発生します。以下、その主要な原因について説明します。

 

虫垂炎による破裂: 最も一般的な汎発性腹膜炎の原因は、急性虫垂炎による虫垂の破裂です。虫垂炎は通常、虫垂に細菌感染が起こることで発生します。感染が進行し、治療が遅れると、虫垂は破裂(穿孔)し、細菌と炎症物質が腹腔内に漏れ出す可能性があります。これが腹膜の広範囲に炎症を引き起こし、汎発性腹膜炎を生じさせます。

 

胃潰瘍や十二指腸潰瘍の穿孔: 胃や十二指腸の潰瘍が破裂すると、消化液や胃酸が腹腔内に漏れ出し、腹膜に刺激を与え、汎発性腹膜炎を起こす可能性があります。

 

外傷: 自動車事故や銃創、刺し傷などの外傷が腹部に及んだ場合、腹腔内の臓器が損傷し、それが汎発性腹膜炎を引き起こす可能性があります。

 

膵炎: 急性膵炎の場合、膵臓が消化酵素を早期に活性化し、自身を消化する可能性があります。これにより膵臓周辺の組織や血管が損傷し、膵液が腹腔内に漏れ出す可能性があります。これが腹膜炎を引き起こす可能性があります。

絞扼性腸閉扼:絞扼性腸閉扼は腸が閉塞し、その部分が壊死(組織の死滅)を引き起こす病態です。壊死した腸から細菌が漏れ出て腹腔内に広がり、腹膜炎を引き起こす可能性があります。

 

胆嚢炎: 胆嚢炎は、通常は胆石症により引き起こされますが、炎症が慢性化し、胆嚢が破裂すると、胆汁が腹腔内に漏れ出し、汎発性腹膜炎を引き起こす可能性があります。

 

腸管穿孔: 消化管の癌や潰瘍、クローン病、憩室炎などにより腸管が穿孔し、内容物が腹腔に漏れ出すことで汎発性腹膜炎が起こることがあります。

 

子宮内膜炎、卵巣嚢腫破裂などの婦人科系疾患: 婦人科系の疾患もまた、汎発性腹膜炎の原因となる場合があります。子宮内膜炎や卵巣嚢腫の破裂により感染が腹腔内に広がると、汎発性腹膜炎を引き起こす可能性があります。

 

手術後の合併症: 手術による誤嚥、腸管の損傷などが原因で、手術後に汎発性腹膜炎が発生することもあります。

 

いずれの原因も、腹腔内への細菌や他の有害物質の漏洩を伴います。これにより、腹膜の広範囲に炎症が生じ、結果的に汎発性腹膜炎が引き起こされます。

症状は、腹痛や吐き気、嘔吐や下痢、発熱、頻脈、速く浅い呼吸

汎発性腹膜炎の主な症状は、腹痛や吐き気、嘔吐や下痢、発熱、頻脈、速く浅い呼吸になることです。

 

腹痛は長く続く持続する腹痛で、激痛が腹部全体に広がります。さらに、腹部をおさえたとき、強い痛みを感じ、痛みによって腹部の筋肉が緊張するため腹部のこわばりも現れます。

 

症状が進むと、頻脈がさらに進み、血圧が下がったり尿の量が減ったりします。

汎発性腹膜炎は重篤な疾患で、迅速な医療介入が必要な状態です。したがって、その典型的な症状を理解していることが重要です。症状は個々の患者と状況により異なる可能性がありますが、一般的な症状について説明します。

 

腹痛: 汎発性腹膜炎の最も一般的な症状の一つは急性腹痛です。これは一般的に全体的な腹部痛、つまり「拡散性」腹痛として表れます。腹痛は通常、深い呼吸、咳、または身体の動きにより悪化します。

 

腹部の膨満感や硬さ: 「板状腹」とも呼ばれるこの症状は、腹膜炎による炎症と腹部内の液体蓄積(腹水)が原因で起こります。腹部が張って硬く感じられることがあります。

 

高熱と寒気: 腹膜炎は体全体の感染症の一種であるため、発熱や寒気がしばしば伴います。これらは身体が感染と闘っている典型的な徴候です。

 

吐き気と嘔吐: 腹部の炎症と感染は消化系の動作を乱し、吐き気や嘔吐を引き起こす可能性があります。

 

食欲不振: 一般的な感染症の症状であり、腹膜炎にも見られます。患者は食欲がなく、食事を摂ることを避けることがあります。

 

急激な体重減少: 食欲不振と組み合わせて、体重減少が起こる場合があります。また、腹水の蓄積と解消も体重の変動を引き起こす可能性があります。

 

便秘または下痢: 腹膜炎は腸の動きを乱す可能性があり、その結果、便秘や下痢を引き起ここすことがあります。

 

心拍数の増加: 感染症や炎症反応は、しばしば心拍数の増加を引き起こします。これは、体が感染と闘うために血液をより速く循環させようとする結果です。

 

混乱や意識の低下: 重度の汎発性腹膜炎では、毒素が血液中に拡散し、脳に影響を及ぼす可能性があります。その結果、混乱したり、意識が低下したりすることがあります。

 

ショックの症状: 汎発性腹膜炎が進行すると、血圧の低下、冷たく湿った皮膚、急速な呼吸、急性の意識低下など、ショック状態を示す症状が現れる可能性があります。これは、体が感染と闘うために必要な血液と酸素を確保するために、血液が重要な臓器(脳、心、肺)に優先的に送られるためです。

 

これらの症状は、すべての人に共通するわけではなく、また他の多くの病気とも重なる部分があります。

原因となる病気を改善することが非常に大事

汎発性腹膜炎を改善するためには、全身の状態を管理することや抗生物質を使うこと、原因となっている病気を改善することが大事です。中でも、原因となる病気を改善することが非常に大事です。

 

汎発性腹膜炎を発症した場合、基本的には、緊急手術を行って穴の開いた部分をふさぎ、大量の生理食塩水を使って腹腔を洗います。

 

しかし、高齢者や心臓病や肺に病気がある人、明らかに全身の状態が悪い人は手術ができないこともあります。その場合はドレナージという方法で腹部にたまった水や膿を体の外に出して対処します。

 

ドレナージは、超音波やCTの画像を確認しながら腹部に針を刺して体から膿を取り除く方法です。

汎発性腹膜炎の改善は一般的に二つの主要な要素から成ります:抗生物質と手術。

 

抗生物質: 汎発性腹膜炎は細菌感染が原因であるため、抗生物質は基本的な要素です。感染の広範囲と重症度に応じて、広域スペクトルの抗生物質が用いられます。これらの薬剤は通常、静脈内に投与され、感染を制御し、病原体を除去するのに役立ちます。

 

手術: 抗生物質だけでは充分でない場合が多いため、大抵の場合、手術が必要となります。原因となる問題を解決し、感染源を取り除くための手術が行われます。これには、壊死した組織の除去、穿孔部位の修復、膿瘍の排除などが含まれます。

 

腹水の排除: 手術の間、または別途行われる処置として、腹腔内の感染した液体や膿が排除されます。これにより感染源を取り除き、抗生物質が有効に機能するための道を開くことができます。

 

サポーティブケア: 汎発性腹膜炎はしばしば全身的な病気であり、個々のニーズに応じたサポーティブケアが必要となります。これには、適切な栄養摂取、疼痛管理、酸素供給、適切な水分補給、そして場合によっては人工呼吸器による呼吸管理が含まれます。

 

リハビリテーション: 手術の後、復元期に入ります。これは栄養状態の改善、筋力と耐久力の回復、および一般的な健康状態の改善を目指します。必要に応じて物理的な方法や作業が行われ、日常生活に戻るのを助けます。

 

フォローアップケア: すべての手術後の人に対して、継続的なフォローアップが必要です。これには、傷のモニタリング、感染の再発の兆候の確認、抗生物質の効果の確認などが含まれます。また、栄養状態と身体状態を定期的に評価し、必要に応じてプランを調整します。

医者にできるだけいろいろな情報を話すことができるようにする

汎発性腹膜炎を判断するために重要なことは、症状の起こり方や経過などです。

 

いつから症状が起こって、どの部分がどのように痛かったのかということや便通の状態や食事の状況や他にあらわれている症状など、いろいろな情報が必要になります。

 

細かい情報を確認するためには、付き添っている人の情報が大事です。家族などが付き添って病院に行く場合は、医者にできるだけいろいろな情報を話すことができるようにしておきましょう。

 

発性腹膜炎は、場合によっては数時間判断や処置が遅れることで、非常に危険な状態になることもあります。疑わしい症状がある場合はすぐに病院に行くことが大事です。

汎発性腹膜炎の改善例

55歳の男性

急性の腹痛で救急部に運ばれました。彼は過去数日間、軽度の腹痛と食欲不振を訴えていましたが、その日の朝から痛みが急激に増し、体調が悪くなったと述べていました。

 

医師は急性の腹膜炎の兆候を発見しました。さらにCTスキャンが行われ、腹部に液体の貯留が確認されました。血液では、感染を示す白血球数の増加が見られました。これらの結果から、汎発性腹膜炎の判断が確定しました。

 

すぐに広域スペクトルの抗生物質を静脈内に投与され、感染の制御を始めました。また、サポーティブケアとして、疼痛管理と水分補給が行われました。

 

手術: 緊急の開腹手術が行われ、原因となる問題、すなわち盲腸の穿孔を発見しました。穿孔部分は修復され、腹腔内の感染した液体と壊死組織は除去されました。

 

回復期: 手術後、ICUで監視下に置かれ、感染の進行を監視しながら抗生物質が続けられました。状態が安定し、感染の兆候が減少すると、一般病棟に移されました。

 

リハビリテーション: その後のリハビリテーションでは、栄養状態の改善と筋力の回復が重視されました。専門家とともに、徐々に身体活動を再開しました。また、栄養士の指導のもと、免疫力を高め、体力を回復させるための適切な食事が提供されました。

 

フォローアップ: 退院後も定期的に、抗生物質の効果、傷口の状態、再発の兆候を医師が確認しました。また、必要に応じて栄養やリハビリテーションの調整が行われました。

 

結果: 退院から数ヶ月後、完全に回復し、日常生活を再開しました。この成功は、早期の症状認識、即時の介入、そして適切な改善とケアによるものでした。

 

このケースは、汎発性腹膜炎の改善がどのように行われるかを示す一例です。個々の改善方法は、その人の病状、年齢、一般的な健康状態、感染の原因などにより変わる可能性があります。

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