腓骨筋腱脱臼の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2023年 2月 9日

更新日:2024年  3月11日

本日は腓骨筋腱脱臼について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 腓骨筋腱脱臼とは
  • 腓骨筋腱脱臼の原因
  • 腓骨筋腱脱臼の症状
  • 腓骨筋腱脱臼の改善方法
  • 腓骨筋腱脱臼のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

腓骨筋腱脱臼はひねることで腓骨筋腱がずれくるぶしの上に乗る

腓骨筋腱脱臼は、ひねることによって本来の位置から腓骨筋腱がずれ、くるぶしの上に乗り上げた状態になることです。

 

腓骨筋は、足首を外側に向ける働きをしている筋肉の1つです。足首の捻挫を防ぐためにも重要な働きをしています。

 

腓骨筋腱脱臼は、スキーやサッカー、バスケットボールなどのスポーツで見られることが多いです。

腓骨筋腱脱臼の原因は、ひねること

腓骨筋腱脱臼の原因は、ひねることによって本来の位置から腓骨筋腱がずれることです。ひねると、急に足関節が背屈され、腓骨筋腱が収縮したとき、腓骨筋支帯が足関節外果から離れるため、腓骨筋腱脱臼が起こるのです。

 

腓骨筋腱脱臼が多く見られるのは、スキーやサッカーバスケットボールなどです。スキーでは、足を板に固定されている状態で足首をひねったり、前方に転んだときにターンで急激に踏み込んだ時に起こります。

 

サッカーやバスケットボールでは、切り返し動作をする時に足を地面に固定した状態で足首をひねることで起こります。

腓骨筋腱脱臼は、関節の周りの構造に影響を与える疾患で、主に腓骨筋の筋腱が通常の位置から外れることを指します。この病気はアクティブなスポーツ選手や物理的な活動を行う人々にしばしば見られるものです。以下に、その原因について詳しく説明します。

 

外傷:腓骨筋腱脱臼の最も一般的な原因は、外傷です。足を不自然な角度でひねったり、高い場所から飛び降りた際の着地などの突然の力が加わることで、筋腱が正常な位置から外れることがあります。

 

スポーツ活動:特定のスポーツや運動、特にバスケットボール、サッカー、テニスなど、足首の急な動きや方向転換が多いスポーツは、腓骨筋腱脱臼のリスクを増加させる可能性があります。

 

先天的な解剖学的特徴:人々の中には、先天的または成長に伴う骨の形状や位置の違いがあり、これが腓骨筋腱の不安定性を引き起こすことが知られています。

 

炎症や腫れ:足首や腓骨筋腱周辺の慢性的な炎症や腫れは、筋腱が正常な位置から外れるリスクを増加させる可能性があります。

 

前回の脱臼:一度腓骨筋腱脱臼を経験した人は、再度の脱臼のリスクが高くなります。これは、筋腱や周辺組織の損傷が原因で、再発の可能性が高まるためです。

 

不適切な運動技術:運動やスポーツを行う際の技術や動きが不適切であると、筋腱や関節に過度なストレスがかかり、腓骨筋腱脱臼のリスクが増加します。

 

筋力の不均衡:足首や下腿の筋肉の不均衡は、筋腱や関節に不適切なストレスを加える原因となり得ます。特に、腓骨筋の筋力が不足している場合、腱の不安定性が増加することが知られています。

 

年齢:若い、活発な人々、特にアスリートは、腓骨筋腱脱臼のリスクが高くなる可能性があります。

 

腓骨筋腱脱臼は、多くの原因から生じる可能性があります。外傷やスポーツ活動、先天的な特徴や慢性的な炎症など、多岐にわたる要因が関与することが知られています。

腓骨筋腱脱臼の症状は、外くるぶしの周りに痛みと腫れが現れる

腓骨筋腱脱臼の症状は、痛みと腫れです。痛みと腫れは、外くるぶしの周りに現れます。初めに脱臼を起こしたとき、そのまま放っておくと、何度も繰り返して脱臼してしまうことにつながります。

 

腱が脱臼した時に足首の力が抜けたり、痛みが出たりすることもあります。また、腓骨筋腱脱臼の症状は捻挫と似ているため、捻挫と間違えられることも多いです。

 

場合によっては、腱が脱臼したときにくるぶしの剥離骨折を起こすこともあります。その場合は、X線やCTなどで調べることもあります。

腓骨筋腱脱臼は、足の外側部分に位置する腓骨筋の筋腱が正常な位置から外れてしまう状態を指します。この症状は足首の動きや機能に影響を及ぼし、日常生活やスポーツ活動に悪影響を及ぼすことがあります。以下に、腓骨筋腱脱臼の症状に関する詳細を説明します。

 

痛み:最も一般的な症状は、足の外側、特に足首の周りに感じる鋭い痛みです。怪我をした直後、または活動中・活動後に痛みが強くなることがあります。

 

腫れ:腓骨筋腱が脱臼すると、足首の周辺が腫れ上がることがよくあります。この腫れは、怪我の直後やその翌日に特に強くなることが多いです。

 

可動域の制限:腓骨筋腱脱臼の影響で、足首の動きが制限されることがあります。特に、足を内側に向ける動きや足を上げる動きが困難になることがあります。

 

筋腱の異常な動き:脱臼した筋腱は、特定の動きをする際に不自然に動くことがあります。例えば、足を上げる動きをするときに筋腱が異常に動くことが視認できる場合があります。

 

足首の不安定感:腓骨筋腱脱臼は、足首の安定性を損なうことがあります。これにより、歩行時や立っているときに足首が不安定に感じることがあります

 

触った時の痛みや異常:足首の外側を触ったときに、痛みを感じることがあります。また、筋腱が異常に動くことが手で感じることができる場合があります。

 

青あざ:筋腱が脱臼する際に、周辺の血管が損傷することがあり、これが原因で青あざが発生することがあります。

 

音の発生:脱臼した際に、ポップやスナップといった音が聞こえることがあります。

 

腓骨筋腱脱臼は、足首の外側部分にさまざまな症状をもたらす可能性があります。痛みや腫れ、可動域の制限、足首の不安定感など、多岐にわたる症状が生じることがあります。これらの症状は、日常生活やスポーツ活動に支障をきたすことがあります。

腓骨筋腱脱臼の改善方法は、固定すること

腓骨筋腱脱臼の改善方法は、固定することです。腓骨外果下部にフェルトなどをあてテーピング固定をすることで、脱臼が改善し、症状も軽くなります。

 

症状が重い場合は手術を行うこともあります。手術は、腱の脱臼を起こさせないことを目的に行います。

腓骨筋腱脱臼は、足首の外側部分に位置する腓骨筋の筋腱が正常な位置から外れる状態を指します。この病気は適切な改善が行われることで、多くの場合は日常生活やスポーツに戻ることができます。以下に改善方法を詳しく記述します。

 

保存的な改善方法

軽度から中等度の腓骨筋腱脱臼の場合、保存的な方法での改善が試みられます。

 

固定: 脱臼を起こした足首を固定し、筋腱や周辺の組織の改善を助けます。通常、エアキャストやギプスを使用して数週間固定します。

冷却: 腫れや痛みを減少させるために、怪我をした直後に冷やすことが推奨されます。

薬: 痛みや腫れを抑えるために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの痛み止めや抗炎症薬が処方されることがあります。

 

・物理的な改善方法

筋腱の位置を修正し、足首の筋力や可動域を向上させるためのリハビリテーションが推奨されます。

 

手術:保存的な方法で改善が見られない場合や、脱臼の度合いが重度の場合、手術が推奨されることがあります。

筋腱修復: 脱臼した筋腱を元の位置に戻し、固定する手術が行われます。

周辺組織の修復: 脱臼の原因となった靭帯や組織の損傷を修復する手術が行われることがあります。

関節の安定化: 足首の関節を安定させるための手術が行われる場合があります。

リハビリテーション:手術後、リハビリテーションが必要となります。これにより、筋力や可動域の回復、足首の安定性の向上が期待されます。

筋力トレーニング: 足首の筋肉を強化することで、再度の脱臼を防ぐことが目的です。

ストレッチ: 筋肉や筋腱の柔軟性を向上させることで、足首の動きをスムーズにします。

バランストレーニング: 足首の安定性を向上させるためのトレーニングが行われます。

腓骨筋腱脱臼の改善において、トレーニングやストレッチは非常に重要です。これらのリハビリテーション活動は、足首の機能回復、筋力の増強、および再発予防に貢献します。以下に、腓骨筋腱脱臼の改善のためのトレーニングやストレッチの方法とその効果について詳しく説明します。

 

1. トレーニング

筋力トレーニング

足首の屈曲・伸展: 座った状態で、足首を前後に動かします。バンドや重りを使用して抵抗を増やすことで効果的なトレーニングが可能です。

足首の内外転: 足首を左右に動かす動きです。抵抗バンドを使用してトレーニング強度を増やすことができます。

 

バランストレーニング

片足立ち: 平坦な地面で片足立ちを行い、バランスを取る練習をします。安全のため、壁や椅子を持つことが推奨されます。

バランスディスクやボードを使用: 足首の安定性を向上させるため、不安定な面上でのバランストレーニングが効果的です。

 

機能的トレーニング

ホッピングやジャンプ: 安全に行えるようになったら、ホッピングやジャンプの練習を加えることで、日常生活やスポーツへの復帰を助けます。

 

2. ストレッチ

腓骨筋ストレッチ: 座った状態で、足首を内側に向けてゆっくりとストレッチを行います。このストレッチは、腓骨筋とその筋腱の柔軟性を向上させるのに役立ちます。

 

アキレス腱ストレッチ: 前方の壁に手をつき、1歩後ろに下がった状態で、後ろの足のかかとを地面に押し付けます。これにより、アキレス腱とふくらはぎの筋肉がストレッチされます。

 

3.トレーニング・ストレッチの効果

筋力向上: 定期的なトレーニングにより、足首周辺の筋肉の筋力が向上します。

柔軟性の向上: ストレッチを行うことで、筋腱や筋肉の柔軟性が向上し、動きがスムーズになります。

足首の安定性の向上: バランストレーニングにより、足首の安定性が向上し、再発のリスクが低減します。

痛みの緩和: 正しいストレッチやトレーニングを行うことで、痛みが軽減されることが期待されます。

腓骨筋腱脱臼が起こり手術を行った場合のスポーツ復帰

腓骨筋腱脱臼が起こり手術を行った場合、スポーツ復帰は手術を行ってから約4週目からで、ジョギングを行うことが多いです。ジョギングは、可動域や腫れ、痛みや筋力に応じて行います。

 

手術を行った後約12週以降にスポーツに完全に復帰できることを目標にその後、ダッシュやジャンプ、ステップなどの練習を行っていきます。

腓骨筋腱脱臼に効果的なツボ

太谿

申脈

解谿

太谿

太谿は、くるぶしのむくみに効果的なツボです。そのため、腓骨筋腱脱臼で起こる痛みにも効果が期待できます。

 

さらに、血行促進の効果があるツボで、冷え性の改善に役立ちます。特に下半身の冷えに効果的であるとされています。

申脈

 

申脈の申は伸と同じ意味を持っており、申脈の脈は血脈や筋脈という意味を持っています。申脈は、刺激することで血脈の流れが改善し、筋肉が伸びやすくなるツボなのです。

 

申脈には、後頚部や背中の緊張を改善する効果もあります。そのため、首こりや背中のこりにも効果的です。

解谿

解谿は、足首の痛みや腰痛を和らげる効果があります。そのため、腓骨筋腱脱臼で起こる痛みや腫れにも効果が期待できます。

 

他にも、足やお尻のむくみにも効果的で、刺激をすることで水分の代謝を高めて足首を細くしてくれます。

ツボの位置と押し方

太谿

太谿は、くるぶしの内側の出っぱりとアキレス腱の真ん中にあるくぼんでいる場所にあります。

 

太谿を押すときは、ちょうど良いくらいの強さで、ゆっくり押してゆっくり離します。

申脈

申脈の場所は、外くるぶしから足の裏の方へ下がった時にあるへこんでいる場所です。

 

押すときは、お風呂に入って押すことがお勧めです。また、円皮鍼というシール式の鍼を貼ることもお勧めです。

解谿

解谿は、足首の関節の前で内くるぶしと外くるぶしを結んだ線の中央のあたりにあるくぼんでいる場所にあります。

 

押すときは、両手で足首を持った状態で両手の人差し指と中指をそろえて押しましょう。

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