角膜内皮障害の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年  8月11日

更新日:2024年  2月15日

本日は角膜内皮障害について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 角膜内皮障害とは
  • 角膜内皮障害の原因
  • 角膜内皮障害の症状
  • 角膜内皮障害の改善方法
  • 角膜内皮障害のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

角膜内皮障害は角膜内皮に傷がつき、角膜に浮腫や混濁が起きた状態

角膜内皮障害は、角膜内皮に傷がつき、角膜に浮腫や混濁が起きた状態になることです。角膜は眼球の表層にあり5層に分かれていますが、その中でも1番内側が角膜内皮です。

 

角膜内皮は角膜内皮細胞からできており、目の中を流れる水分が角膜の中に入ることを防ぐ役割を担っています。しかし、角膜内皮細胞は一度傷ついてしまうと、再生できないため細胞の数はどんどん減っていきます。

 

細胞の数が減ると細胞の面積を広げることによって角膜内皮の役割を行います。しかし、減りすぎると補うことができなくなり、角膜の層に水分が入り、角膜の混濁や浮腫が起きるのです。

角膜内皮障害の原因は、角膜内皮が傷つくこと

角膜内皮障害の原因は、角膜内皮が傷つくことです。

 

角膜内皮は、外傷や目の手術、レーザーによる虹彩切開、急性緑内障発作、ぶどう膜炎などの目の中の炎症、先天性や遺伝性の病気、コンタクトレンズ、加齢などが原因で傷つく可能性があります。

角膜内皮障害は角膜の内皮細胞が正常に機能しなくなる状態を指します。これにより、角膜の透明度や厚みが影響を受け、視力に悪影響を及ぼす場合があります。

 

・先天的要因

遺伝: 一部の角膜内皮障害は遺伝的な要因で発症する場合があります。

先天性障害: 先天的な病気や異常によって、角膜内皮細胞が初めから正常に機能しないケースもあります。

 

・後天的要因

外傷: 目に対する直接的な外傷が角膜内皮細胞を傷つける可能性があります。

手術: 眼内手術、特に白内障手術や角膜移植手術の後にリスクが高まる場合があります。

感染症: 細菌、ウイルス、真菌による感染症が角膜内皮障害を引き起こす可能性があります。

病気: グラウコマ(緑内障)や糖尿病などの他の眼科または全身性の病気が影響を与える場合があります。

薬物: 一部の薬物が角膜に悪影響を与える可能性があります。

 

加齢

自然な細胞減少: 加齢により、角膜内皮細胞の数が自然に減少します。これが一定の閾値を下回ると、角膜内皮障害の症状が顕著になる場合があります。

 

その他の要因

環境: 紫外線や高温、乾燥といった環境要因も角膜に影響を与える可能性があります。

生活習慣: 喫煙、過度なアルコール摂取、栄養不足なども影響を与える場合があります。

角膜内皮障害の症状は、視力の低下や痛み

角膜内皮障害の症状は、視力の低下や痛みです。視力の低下は、角膜の浮腫によって起こります。

 

痛みは症状が進んでいくと起こります。症状が進むと、角膜の最も外側の層に水疱やびらんができます。そのために痛みが現れるのです。

・視力の低下

角膜内皮障害が進行すると、最も一般的な症状の一つが視力の低下です。角膜は目の前部に位置しており、光を適切に屈折させて網膜に送る役割を果たします。内皮細胞が障害を受けると、この屈折が正常に行われなくなり、視力がぼやけたり、変わったりすることがあります。

 

・光の乱反射と眩しさ

角膜の内皮細胞が障害を受けると、角膜の表面が不規則になり、光が乱反射する可能性があります。その結果、眩しい環境での視界が極端に不快に感じられる場合があります。

 

・水分の留まりと浮腫

角膜内皮の主な働きの一つは、角膜の水分バランスを維持することです。内皮障害があると、この水分調整がうまくいかない場合があります。その結果、角膜が浮腫を起こし、さらなる視力の低下や痛みを引き起こす可能性があります。

 

・痛みと不快感

角膜内皮障害は、角膜に対する感圧や痛みを引き起こす可能性があります。特に、角膜の浮腫が進行すると、その症状が顕著になることが多いです。

 

・色の知覚の歪み

一部の人々は、角膜内皮障害が進行すると色の知覚にも影響を感じることが報告されています。これは、角膜が光の屈折に関与しているため、その働きが低下すると色の知覚にも影響が出る可能性があるからです。

 

・夜間視力の低下

多くの場合、角膜内皮障害によって夜間の視力が特に低下することが報告されています。これは、低い照明条件下での視力に依存する多くの活動、例えば運転や読書、が困難になる可能性があるため、特に注意が必要です。

 

以上の症状は、角膜内皮障害が進行するにつれて悪化する可能性があります。

角膜に軽い浮腫がある場合は、点眼薬を使う

角膜内皮障害は特に症状が現れていない場合は改善を行う必要はありません。

 

角膜に軽い浮腫がある場合は、点眼薬を使ってむくみを和らげます。症状が進んで、目の痛みがある場合は改善のためのソフトコンタクトレンズを使うこともあります。

 

視力が低下してしまった場合は、手術を行うことが必要になります。

・薬

点眼薬: 炎症を抑制したり、角膜浮腫を改善するための点眼薬が一般的に用いられます。

抗生物質: 細菌性の感染が原因である場合は、抗生物質の点眼薬や飲み薬が処方されることがあります。

 

・眼鏡、コンタクトレンズ

特別な眼鏡: 視力低下に対処するために特別な眼鏡が必要な場合があります。

硬質コンタクトレンズ: 一部の症例では、硬質コンタクトレンズが角膜の形状を一時的に改善し、視力を向上させるために用いられます。

 

・手術

角膜移植: 最も一般的な改善法の一つで、特に内皮細胞が大きく損傷している場合に行われます。

DSAEK: 角膜の内皮層だけを移植する手術で、より迅速な回復が期待できます。

DMEK: DSAEKよりもさらに薄い組織を移植する手術です。

 

・その他の改善法

デブリードメント: 角膜の表面を慎重に除去する手法であり、一部の症例で効果があるとされています。

光共鳴:レーザーを使用して角膜表面の異常部分を取り除く手術です。

 

・症状に対する対処

人工涙液: 乾燥や不快感を和らげるために用いられます。

暗い環境での安静: 光感受性が高まっている場合、暗い環境で目を休ませることが推奨されます。

 

・フォローアップと維持

定期的に病院に行く: 角膜内皮障害は進行性の場合が多いので、定期的に眼科に行くことが必要です。

生活習慣の改善: 喫煙、過度なアルコール摂取などは避け、健康的な生活習慣を維持することが重要です。

角膜内皮障害の改善で用いられる主要な手術手法には、一般的に角膜移植、DSAEK、およびDMEKがあります。それぞれの手術法には独自の目的と効果があります。

 

・角膜移植(Keratoplasty)

目的:重度に損傷した或いは病気によって影響を受けた角膜全層を健康なドナーの角膜で置き換える。

効果:視力の大幅な改善が期待される。痛みや不快感の軽減。ただし、回復期間が長く、数ヶ月~1年程度かかることが多い。

 

DSAEK(Descemet's Stripping Automated Endothelial Keratoplasty)

目的:角膜の内皮層だけを新しいものと交換する。これは角膜全体を交換するよりも侵襲が少ない。

効果:回復期間が短い(通常は数週間以内)。ドナー組織が薄いため、拒絶反応のリスクが低い。視力の改善と痛みの軽減が期待されるが、角膜移植ほどの効果は期待できない場合もある。

 

DMEK(Descemet Membrane Endothelial Keratoplasty)

目的:さらに薄い角膜の内皮組織を移植する手術。これにより、角膜の自然な構造をより忠実に再現する。

効果:回復が非常に早い。拒絶反応のリスクがさらに低く、視力の改善も速やか。ただし、手術自体は高度な技術が要求され、すべての患者に適しているわけではない。

 

以上の手術法はそれぞれ異なるタイプの角膜内皮障害に適用されます。具体的な症状、角膜の状態、一般的な健康状態などによって、どの手法が最も適しているかが決定されます。

コンタクトレンズを使っている場合

ハードコンタクトレンズを使っている場合は、角膜内皮細胞が減ることがあります。心配があったり気になる症状があったりするときは、コンタクトレンズを眼科などで買うときに医師に相談することをおすすめします。

 

コンタクトレンズを使っていることによって、角膜内皮細胞が減っているということがわかったらコンタクトレンズをやめて眼鏡を使うことがおすすめです。

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