陰のう水腫の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年  9月23日

更新日:2024年  1月 2日

本日は陰のう水腫について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 陰のう水腫とは
  • 陰のう水腫の原因
  • 陰のう水腫の症状
  • 陰のう水腫の改善方法
  • 陰のう水腫のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

陰のう水腫は、陰のうの内部にある臓器のすき間に液体がたまる状態

陰のう水腫は、陰のうの内部にある臓器のすき間に液体がたまる状態のことです。陰のうは男性の股間にある袋のことで、中には、精巣や精巣上体などの臓器が入っています。

 

陰のう水腫は、先天性のものと後天性のものがあります。先天性の場合、2~3歳くらいまでに、お腹の中と陰のう内部の間の通り道が自然にふさがって改善することが多いです。

 

そのため、先天性の場合は、すぐに改善に取り組むのではなく経過をみることがほとんどです。

陰のう水腫の原因は、先天性の場合と後天性の場合によって違う

陰のう水腫の原因は、先天性の場合と後天性の場合によって違います。

 

先天性の場合は、生まれつき腸が入っているお腹の内部と陰のうの中がつながっていることが原因です。お腹の内部と陰のうの中がつながっているために、お腹の中にある液体が陰のうに降りてくることで発症するのです。

 

後天性の場合は、ほとんどが原因はわかりません。場合によっては、炎症や腫瘍などが原因で発症することがあると言われています。

陰のう水腫は、陰のう内に液体が溜まる状態です。この状態にはいくつかの原因があり、以下に詳しく説明します。

 

先天性陰のう水腫:新生児に見られる先天性陰のう水腫は、胎児の発育中に腹膜が陰のう内に伸びる通路(鼠径腹膜管)が閉じないことによって発生します。生後数ヶ月以内に自然に閉じることが多いですが、そうでない場合は改善が必要になることがあります。

 

続発性陰のう水腫:続発性陰のう水腫は、精巣や陰のうに何らかの傷害や病変がある場合に生じます。これには精巣の感染症や炎症(例:精巣上体炎、精巣炎)、陰のうや精巣への外傷、陰のう内の腫瘍陰のう手術後の合併症心不全や肝硬変など、体液のバランスを乱す全身性の病気以などの状態が含まれます。

 

老化:年齢と共に陰のうの組織が液体を保持しやすくなることがあります。

 

リンパ系の障害:リンパ液の排出が妨げられると、液体が陰のう内に蓄積することがあります。

陰のう水腫の症状は、陰のうが大きくなること

陰のう水腫の症状は、陰のうが大きくなることです。症状は片側に起きることもあれば両側に起きることもあります。

 

基本的には痛みなどが現れることはないため、陰のう水腫と思っていても陰のうや腹部に痛みが現れた場合は、別の病気の可能性があります。

 

先天性の陰のう水腫の場合、内部の液体がお腹の中と陰のうの中を行き来するため、日や時間帯によって陰のうの腫れの大きさが変わるという特徴があります。

陰のう水腫は、通常、陰のうに液体が溜まることによって生じます。主な症状は以下の通りです。

 

陰のうの腫れまたは拡大:陰のう水腫の最も一般的な症状は、一方または両方の陰のうの腫れです。腫れは通常無痛で、徐々に進行することが多いです。

 

重だるさや不快感:陰のうの腫れに伴って、重だるさや不快感を感じることがあります。

 

痛みの欠如または軽度の痛み:陰のう水腫は通常痛みを伴いませんが、場合によっては軽度の痛みが生じることがあります。

 

触った時の柔らかさ:触った際に、陰のうが柔らかく水腫であることがわかります。

 

体位による症状の変化:横になると腫れが減少することがあります。これは、仰向けになると液体が自然に体内に戻るためです。

 

見た目の変化:陰のうのサイズや形状が変わり、通常よりも大きくなることがあります。

 

陰のう水腫は、通常、新生児や幼児、または中高年の男性に見られます。新生児の場合はしばしば自然に解消しますが、成人の場合は改善の介入が必要なことがあります。

陰のう水腫の改善方法は先天性の場合と後天性の場合で違う

陰のう水腫の改善方法は、先天性の場合と後天性の場合で違います。先天性の場合、2~3歳くらいまでに自然に改善することが多いため、まず経過をみます。

 

3~4歳以降になっても腫れが改善しない場合や鼠径ヘルニアを合わせて発症している場合は、手術を行います。

 

後天性の場合は自然に改善することはありません。しかし、大きさがあまり大きくなく問題にならない場合は、そのまま放っておいて経過を見ます。大きい場合や大きさによって問題が起こっている場合は、手術を行います。

 

後天性の陰のう水腫の改善方法に、注射器で中にたまっている液体を抜く方法もあります。しかし、その効果は一時的なことが多く、再び液体がたまって大きくなります。

陰のう水腫の改善方法は、その原因や症状の重さに応じて異なります。以下に、一般的な改善方法を挙げます。

 

経過観察:陰のう水腫が軽微で、痛みや不快感がない場合は、特に改善を必要としないことが多く、経過観察が行われます。

 

サポート下着の使用:陰のうのサポート性の高い下着を着用することで、陰のうにかかる圧力を減らし、不快感を軽減することができます。

 

鎮痛剤の使用:痛みや不快感がある場合は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの鎮痛剤が処方されることがあります。

 

手術:陰のう水腫が大きくて不快感がある場合や、他の改善に反応しない場合は、手術が必要になることがあります。手術は通常、局所麻酔または全身麻酔下で行われ、陰のうから余分な液体を取り除きます。

 

針穿刺:液体を除去するために、陰のうに針を刺して液体を抜くことが行われる場合があります。ただし、これは一時的な解決策であり、水腫が再発する可能性があります。

 

他の病状の改善:陰のう水腫が他の病気によって引き起こされている場合、その根本的な原因を改善することが必要です。

 

新生児や幼児に見られる先天性の陰のう水腫は、多くの場合、時間とともに自然に解消します。ただし、成人の場合や症状が続く場合は、改善を行うことが必要になることがあります。どの改善法が適切かは、年齢、症状の重さ、および全体的な健康状態によって異なります。

陰のう水腫の改善において、薬は主要な改善法ではありませんが、症状を緩和するために使用されることがあります。以下は、陰のう水腫に関連する症状を管理するために使用される可能性のある薬物です。

 

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):イブプロフェンやナプロキセンなどのNSAIDsは、痛みや不快感を緩和するために使用されることがあります。これらの薬は、炎症を減少させ、痛みを和らげる効果があります。

 

鎮痛剤:より強い痛みの場合、医師はより強力な鎮痛剤を処方することがあります。

 

感染症に対する抗生物質:陰のう水腫が感染症によって引き起こされている場合(例えば精巣炎や精巣上体炎)、抗生物質が処方されることがあります。

 

利尿薬:体液の蓄積を減少させるために、場合によっては利尿薬が使用されることがあります。ただし、これは一般的な治療法ではありません。

 

陰のう水腫の改善方法は症状や原因によって異なるため、薬は医師の指導の下で行う必要があります。

後天性の場合、発見が難しい

先天性の陰のう水腫は、体を調べる機会やおむつ交換のときに発見されることが多いです。

 

しかし、大人にはほとんどそのような機会はないため、後天性の陰のう水腫は発見されにくいです。お風呂に入っている時などに自分で陰のうの左右差を確認するなどして、大きさの変化に気がつくようにしておくことが早期発見につながります。

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