道化師様魚鱗癬の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年 12月10日

更新日:2023年  1月18日

本日は道化師様魚鱗癬について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 道化師様魚鱗癬とは
  • 道化師様魚鱗癬の原因
  • 道化師様魚鱗癬の症状
  • 道化師様魚鱗癬の改善方法
  • 道化師様魚鱗癬のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

道化師様魚鱗癬は、最も程度の重い魚鱗癬と考えられている病気

道化師様魚鱗癬は、最も程度の重い魚鱗癬と考えられている病気です。先天的な異常によって胎児の時から皮膚の表面の角層が非常に厚くなり、生まれた時にはすでに体全体が厚い板状の角質に覆われている状態になります。

 

道化師様魚鱗癬の特徴は、皮膚の深い亀裂、眼瞼外反、口唇の突出と開口です。

 

道化師様魚鱗癬を発症している人がどのくらいの人数であるのかについては正確にはわかっていませんが、約30万人に1人に発症していると言われています。

道化師様魚鱗癬の原因は、遺伝子変異

道化師様魚鱗癬の原因は、遺伝子変異です。原因となる遺伝子はABCA12の遺伝子です。ABCA12の遺伝子は、表皮細胞の脂質を運んでいる蛋白質をコードしている遺伝子です。

 

皮膚表面のバリア機能にとって大事である表皮細胞間脂質が層板顆粒から表皮細胞の間に分泌されなくなり、表皮細胞の中に脂質がたまります。表皮細胞の中に脂質がたまると、皮膚のバリア機能障害と厚い角層が起きると考えられています。

道化師様魚鱗癬は、皮膚の角質化異常による病気で、通常は遺伝的に発症します。

遺伝的要素

道化師様魚鱗癬の最も一般的な原因は、遺伝的な要素にあります。特に、この病気は常染色体優性遺伝を示し、親から子へと遺伝します。原因となる遺伝子異常は、主にフィラグリン遺伝子の突然変異により起こります。

 

フィラグリンは皮膚の保湿とバリア機能に重要な役割を果たすタンパク質で、その生成や機能が損なわれると、皮膚のバリア機能が低下し、水分の蒸発が増えるため、皮膚が乾燥しやすくなります。その結果、過度の角化が引き起こされ、典型的な魚鱗状の皮膚症状が現れます。

 

角化異常

皮膚は私たちの体を外部環境から保護する最初の防衛線であり、表皮と呼ばれる皮膚の一番外側の層は角化細胞で構成されています。通常、これらの細胞は一定の周期で新しく生成され、古いものは自然に剥がれ落ちます。これを「角化」と言います。

 

しかし、道化師様魚鱗癬では、フィラグリン遺伝子の突然変異により皮膚の生態系が乱れ、角化細胞の生産と剥離のバランスが崩れます。この結果、角化細胞が過剰に生成され、剥がれ落ちるのが遅くなるため、皮膚表面に厚い角質層が形成されます。これが魚鱗状の皮膚を引き起こすメカニズムです。

 

環境要素

道化師様魚鱗癬の症状は、環境要素によっても影響を受けます。特に、乾燥した環境や寒冷な気候は皮膚の乾燥を増幅し、症状を悪化させる可能性があります。逆に、湿度の高い環境や温暖な気候は皮膚の水分保持を助け、症状を和らげる可能性があります。

 

また、一部では皮膚への物理的な刺激や摩擦が症状を悪化させることがあります。これは、既に角質層が過剰に形成されている皮膚が刺激にさらされると、さらなる角質の生成を促進するためです。

 

他の病気との関連

道化師様魚鱗癬は、一部でアトピー性皮膚炎や喘息といった他の病気と併発することがあります。これは、フィラグリン遺伝子の異常がこれらの病気の発症に関与する可能性があるためです。また、皮膚のバリア機能が低下すると、アレルゲンや感染症に対する皮膚の防御力も低下するため、これらの病気の発症リスクが増加する可能性があります。

道化師様魚鱗癬の症状は、全身の高度な過角化と板状の厚い鱗屑

道化師様魚鱗癬の症状は、全身の高度な過角化と板状の厚い鱗屑です。乾燥し、亀裂が起きるようにもなります。道化師様魚鱗癬のこのような症状は、生まれた時からすでに現れています。

 

他にも、眼瞼外反と口唇の突出や開口、明らかな耳介変形も起こります。新生児期には、呼吸不全が認められることもあります。しかし、一般的に他の臓器の障害は起こりません。

 

ただし、皮膚のバリア機能に障害が起きることによって、水分や蛋白質を失ったり体温の調節に異常が起きたりいろいろな感染症を発症したりすることは多いです。

皮膚の乾燥と硬化

道化師様魚鱗癬の最も一般的な症状は皮膚の乾燥と硬化です。皮膚は乾燥し、厚く、硬い魚鱗状のパッチを形成します。これはしばしば赤みを帯び、ときには皮膚の割れ目やひび割れを伴うことがあります。

 

搔痒感

皮膚の乾燥と硬化に伴い、しばしば強い搔痒感が生じます。これは不快で、患者の日常生活や睡眠を大きく妨げる可能性があります。

 

皮膚の色素沈着

一部では、皮膚の色素沈着が見られることがあります。これは皮膚が暗く見えるようになる現象で、特に魚鱗状のパッチが形成される領域で顕著です。

 

皮膚の亀裂と割れ目

特に重症の場合、皮膚の乾燥と硬化は、皮膚の亀裂や割れ目を引き起こすことがあります。これは非常に痛みを伴い、感染のリスクを高める可能性があります。

 

眼瞼縁炎

一部の道化師様魚鱗癬では、眼瞼縁炎という症状が現れることがあります。これは、まぶたの縁が赤く腫れ、痛みや刺激感を伴う状態です。

 

乾皮症

乾皮症が見られることがあります。これは、頭皮の皮膚が乾燥し、厚くなり、白いまたは灰色の鱗片が現れる症状です。乾皮症は一般的には無害ですが、搔痒感を引き起こすことがあり、その結果、頭皮を掻きむしってしまうことがあります。

 

パームプランターハイパーケラトーシス

一部の道化師様魚鱗癬では、手のひらや足の裏に異常な角質層の厚みが増す症状が見られます。これはパームプランターハイパーケラトーシスと呼ばれ、痛みや不快感を感じることがあります。

 

過剰な汗の分泌

一部では、特に手のひらや足の裏で過剰な汗の分泌が見られます。これは、皮膚の異常な角化により汗腺が正常に機能しないために起こります。

 

熱耐性の低下

道化師様魚鱗癬では、皮膚の異常な角化により汗腺が閉塞し、熱を適切に放散できなくなるため、熱耐性が低下することがあります。これは、暑い環境での活動や運動後に特に問題となり、患者は熱射病や熱疲労のリスクが高まる可能性があります。

 

社会的、心理的影響

皮膚の変化は患者の見た目に影響を与え、自尊心や自己意識に影響を及ぼす可能性があります。これは患者の心理的健康に影響を及ぼし、社会的な孤立、うつ病、不安を引き起こす可能性があります。

 

以上が道化師様魚鱗癬の一般的な症状です。症状は個人によって異なり、症状の程度も人によって異なります。

現れている症状に対しての改善に取り組む

道化師様魚鱗癬を改善するためには、現れている症状に対しての改善に取り組むことです。輸液や呼吸の管理、正常な体温の維持や皮膚の感染のコントロールなどを行うことが大事です。

 

皮膚に対しては、保湿剤やワセリンを使います。近年では、新生児期からのレチノイドの全身投与が道化師様魚鱗癬の症状の改善に有効であったという報告もあります。

道化師様魚鱗癬を改善するためには、現れている症状に対しての改善に取り組むことです。輸液や呼吸の管理、正常な体温の維持や皮膚の感染のコントロールなどを行うことが大事です。

 

皮膚に対しては、保湿剤やワセリンを使います。近年では、新生児期からのレチノイドの全身投与が道化師様魚鱗癬の症状の改善に有効であったという報告もあります。

道化師様魚鱗癬は生まれた時から症状が現れる

道化師様魚鱗癬は生まれた時から症状が現れており、生まれた時から症状が非常に重いです。そのため、以前は、脱水や感染症、呼吸困難などによって生まれた後数日以内に命に危険が及んでいました。

 

しかし、現在は、レチノイドを投与する方法や新生児の管理技術の進歩によって命が助かることも非常に多いです。そのため、医師と相談の上改善に取り組みましょう。

道化師様魚鱗癬の改善例

初期 小林さんの例

小林さんは最初に皮膚の乾燥とスケールに気づき、その後、一般的な保湿剤では改善しないことに気付きます。そのため皮膚科医に相談し、彼は道化師様魚鱗癬の判断を受けます。この時点で、小林さんの計画が始まります。医師は、皮膚の状態を改善するために、特定の保湿剤と角質除去剤の使用を推奨します。また、熱に関連する問題を避けるためのアドバイスも提供します。

 

長期的な改善と管理

数ヶ月後、小林さんの皮膚の状態は一部改善しますが、依然として苦しみが続きます。このため、医師は新たな改善方法として経口レチノイドを提案します。小林さんは、副作用と利点を理解した上でこの改善方法を受け入れ、その結果、皮膚の状態が大幅に改善します。しかし、小林さんはまた、この病気が自分の自尊心と日常生活に影響を及ぼしていることに気付きます。医師は、心理的な支援としてカウンセリングを推奨し、小林さんはこれを受け入れます。

 

改善と調整

数年後、小林さんは道化師様魚鱗癬と共存する方法を学んできます。彼は症状をうまく管理し、日常生活を楽しむ方法を見つけてきました。しかし、彼は自身の皮膚の状態を継続的に監視し、医師と定期的に相談し、新たな症状や問題が発生した場合は、改善の計画を調整します。彼はまた、サポートグループに参加し、同じ病気を持つ他の人々と経験を共有します。これは小林さんにとって大きな支援となり、彼の精神的健康を改善します。

 

家族との関わり

小林さんはまた、自分の家族とこの病気について話すことを決定しました。彼は遺伝カウンセラーとともに、この病気が自分の子供たちにどのように影響を及ぼす可能性があるかを理解します。これにより、彼の家族は彼の状況をより良く理解し、必要なサポートを提供できます。

 

健康的なライフスタイル

さらに、小林さんは自分のライフスタイルを見直し、健康的な食事を取るようにし、適度な運動を行い、十分な休息を取ることを確認します。これは皮膚の健康を維持するだけでなく、彼の全体的な健康状態を改善します。

おすすめ記事

営業時間

11時から21時

営業日
 

11時~21時迄

休業日

年末年始

お問合せ
080-1802-9798