切れ痔の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年  9月23日

更新日:2024年  1月10日

本日は切れ痔について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 切れ痔とは
  • 切れ痔の原因
  • 切れ痔の症状
  • 切れ痔の改善方法
  • 切れ痔のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

切れ痔は、肛門の皮膚が切れたり裂けたりすること

切れ痔は、便が肛門を通る時、肛門の皮膚が切れたり裂けたりすることです。さけ痔と呼ばれることもあります。

 

切れ痔は、男性より女性に多く見られます。これは、切れ痔の原因の多くが便秘であることが関係しています。便秘は男性より女性に多いため、切れ痔も男性より女性に多く見られるのです。

 

切れ痔の起こることの多い年齢は比較的若く、男性も女性も20~50代であるといわれています。

切れ痔の大きな原因は、便秘

切れ痔の大きな原因は、便秘です。切れ痔は女性に多いです。これは男性より女性の方が便秘になりやすいことが関係しています。

 

切れ痔には、食事の量が少ないことも関係しています。食事の量が少ないと便の量が増えないためです。

 

便の量が少ないと腸管が刺激されないため便秘になりやすくなり、便が硬くなります。そして、排泄されにくくなった便が無理に肛門を通る時、切れ痔が起こるのです。

切れ痔は、肛門の皮膚や粘膜に裂け目が生じる状態で、主に以下のような原因によって発生します。

 

硬い便や便秘:硬い便や便秘による排便時の圧力が、肛門の細い粘膜に裂け目を引き起こすことが一般的です。排便時の過度の力みも肛門に過大な圧力を与え、裂け目の原因となります。

 

下痢:頻繁な下痢は、肛門周辺の皮膚や粘膜を刺激し、裂け目を引き起こすことがあります。

 

出産:出産時の過度の圧力や肛門周辺の損傷が原因で、女性に切れ痔が生じることがあります。

 

肛門の炎症や感染:クローン病や潰瘍性大腸炎などの肛門部の炎症性の病気や感染が、裂け目を引き起こすことがあります。

 

肛門周辺の筋肉の緊張:肛門括約筋の過度の緊張が肛門に圧力をかけ、裂け目を引き起こすことがあります。

 

肛門部への外傷:事故や肛門部への外傷が、裂け目の原因となることがあります。

 

慢性的な病気:HIV感染症、結核、梅毒などの特定の病気が、裂け目の原因となることがあります。

切れ痔の症状は、排便をする時の強い痛みと出血

切れ痔の症状は、排便をする時の強い痛みと出血です。出血の量はそんなに多くはなく、トイレットペーパーに付着するくらいの量です。

 

痛みが起こる原因は、肛門上皮に知覚神経という痛みを感じる神経が通っていることです。そのため、便が傷口を通るたびに強い痛みが起こるのです。

 

痛みが起こると、痛みによって内肛門括約筋が痙攣を起こします。すると、さらに激しい痛みが続きます。

切れ痔は、肛門の粘膜に小さな裂け目が生じることによって発生し、以下のような特徴的な症状を引き起こします。

 

排便時の激しい痛み:切れ痔の最も一般的な症状は、排便時の鋭い、しばしば激しい痛みです。この痛みは排便の数分から数時間続くことがあります。

 

出血:排便時に明るい赤色の血がトイレットペーパー、便、または便器に見られることがあります。血液は通常、ほんの少量です。

 

肛門のかゆみ:裂け目のある肛門周辺にかゆみを感じることがあります。

 

肛門周辺の不快感:裂け目があるため、座ったり歩いたりする際に肛門周辺に違和感を覚えることがあります。

 

肛門部の緊張:痛みを恐れて肛門括約筋が緊張し、排便が困難になることがあります。

 

慢性化した場合の症状:慢性化すると、肛門の外側に小さなふくらみ(外痔核)や肛門内側に固いしこり(内痔核)ができることがあります。

 

切れ痔の症状はしばしば非常に痛みを伴いますが、適切な改善を行うことによって多くの場合良くなります。しかし、症状が慢性化すると改善が難しくなることがありますので、排便時の痛みや出血がある場合は病院に行きましょう。

切れ痔はセルフケアで改善を行うことができることが多い

切れ痔はセルフケアで改善を行うことができることが多いです。切れ痔を改善するために1番大事なことは、原因となる便秘を改善することです。

 

便通を良くするためには、生活習慣の改善が重要です。栄養バランスの整った食事をきちんと食べ、適度な運動を行いましょう。

 

痛みなどの症状がある場合は、市販の座薬や軟こうを使います。市販の下剤を使う場合は、便を軟らかくする作用がある酸化マグネシウムなどの非刺激性の下剤がおすすめです。

 

さらに、傷口を清潔にしておくために、入浴をしたりお尻だけお湯につける座浴を行ったりすることもおすすめです。

切れ痔の改善豊富は、症状の重さや慢性化の程度に応じて異なります。以下に、一般的な改善方法を挙げます。

 

良好な排便習慣の確立:便秘を避け、柔らかい便を維持することが重要です。高繊維食品の摂取、十分な水分摂取、定期的な運動が推奨されます。排便時の過度ないきみを避けることも重要です。

 

局所的な痛みの緩和:鎮痛剤入りのクリームや坐薬(例:リドカインクリーム)が、痛みや不快感を緩和するために使用されることがあります。

 

軟膏やクリームの使用:硝酸グリセリン軟膏やカルシウム拮抗薬(例:ジルチアゼム軟膏)を使用して肛門括約筋の圧力を緩和し、血流を改善することがあります。

 

温かい水浴(シッツバス):1日数回、10~15分程度の温かい水浴が、肛門部の血流を促進し、痛みや不快感を和らげるのに役立ちます。

 

繊維サプリメント:便秘を防ぐために、繊維サプリメントの摂取が推奨されることがあります。

 

手術:慢性化した切れ痔や重症の場合には、外科手術が必要になることがあります。手術には肛門括約筋を部分的に切除する方法や、裂け目の修復が含まれます。

切れ痔の改善に使用される薬には、主に痛みや不快感の緩和、肛門括約筋の圧力の低減、および改善促進を目的としたものがあります。以下に、切れ痔の改善に使う薬の種類と効果について詳しく説明します。

 

局所麻酔薬:リドカインなどの局所麻酔薬が含まれるクリームや坐薬は、排便時の痛みや不快感を緩和します。

 

硝酸グリセリン軟膏:硝酸グリセリン軟膏は肛門括約筋の圧力を低減し、血流を改善することで、切れ痔の治癒を促進します。この軟膏の使用には、頭痛が副作用として現れることがあります。

 

カルシウム拮抗薬(例:ジルチアゼム軟膏):ジルチアゼム軟膏も肛門括約筋の圧力を低減し、血流を改善します。硝酸グリセリン軟膏と異なり、頭痛の副作用が少ないです。

 

繊維サプリメント:便を柔らかく保ち、排便を容易にするために、繊維サプリメント(例:サイリウム)が用いられることがあります。

 

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):イブプロフェンなどのNSAIDsは、炎症と痛みを緩和します。

 

これらの薬は、切れ痔の症状を緩和し、改善を促進することを目的としています。薬の使用は医師の指示に従って行うべきであり、特に局所薬を使用する場合は、適切な使用方法と量を守ることが重要です。

切れ痔を改善するための手術

セルフケアを行っても、何度も切れ痔を繰り返し肛門が狭くなってしまった場合や排便をする時の強い痛みによってトイレに行くことが怖い場合、生活習慣を改善してもあまり改善が見られない場合などには、手術をおこなうこともあります。

 

切れ痔を改善するための手術は、肛門の内括約筋に小さな切れ目を入れる手術です。小さな切れ目を入れることによって肛門が広がりやすくなり排便しやすい状態を作るのです。

切れ痔に効果的なツボ

天枢

・大巨

・便秘点

天枢

天枢は、消化器系や泌尿器系の機能を促進する効果があります。天枢を刺激することで、胃腸の働きが活発になります。そのため、食欲も増え、便秘にも効果を発揮します。

 

切れ痔の大きな原因は便秘のため、便秘の改善に効果があると言うことは切れ痔の改善にもつながります。

 

胃もたれや消化不良、食べすぎや飲みすぎに対してもよく使われるツボです。

大巨

大巨の効果は、下腹部の張りや下腹部の不快感を和らげることや、大腸や小腸などの胃腸の機能を高めることです。そのため、慢性腸炎、過敏性腸症候群などを改善するために使われています。

 

下腹部の張りを和らげたり胃腸の機能を高めることは、便秘の改善にも役立ち、切れ痔の改善にも役立ちます。消化器系のトラブルや糖尿病、不眠症、不妊症などに対しても使われるツボです。

便秘点

便秘点は便秘に効果のあるツボです。切れ痔の最大の原因は便秘であるため、切れ痔を改善するためには便秘を解消することが大事です。

 

便秘点を刺激して便秘を解消することで、切れ痔の改善にも効果があるのです。

ツボの場所と押し方

天枢

天枢の場所は、臍から指幅3本分外側に進んだ場所です。

 

天枢は、左右両方にあるツボのため左右のツボを同時に押します。力加減は、お腹が軽くへこむ程度がおすすめです。

大巨

大巨は、臍から指幅3本分外側に進んだ場所にある天枢から指幅3本分下側に下がった場所にあります。

 

大巨は、左右両側にあるツボのため左右を同時に親指を使って押します。両手を腰骨に置いた状態にして親指を使うと押しやすいです。

便秘点

便秘点の場所は、ろっ骨のいちばん下から指幅2本分下に下がった場所にあります。背骨から指幅4本分外側に進んだ場所の左右両側にあるツボなのです。

 

押すときは、ウエストのくびれている部分に手を置いて、親指を使って押します。ツボを押しながら、体を左右に繰り返しひねることでより効果が期待できます。

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