ブルガダ症候群の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年  10月11日

更新日:2022年  11月 2日

本日はブルガダ症候群について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • ブルガダ症候群とは
  • ブルガダ症候群の原因
  • ブルガダ症候群の症状
  • ブルガダ症候群の改善方法
  • ブルガダ症候群のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

ブルガダ症候群はブルガダ兄弟によって報告された病気

ブルガダ症候群は、発作が起こると心臓が細かく震え、規則的な拍動を失い、全身に血液を送れなくなる状態になる病気です。

 

ブルガダ兄弟によって報告された病気であるため、ブルガダ症候群と呼ばれています

 

発症は、東洋人の男性に多く見られます。

 

心室細動が止まらなかった場合は、心肺停止などが起こる可能性もあります。そのような命の危険があるブルガダ症候群を症候性ブルガダ症候群と言います。

 

ブルガダ症候群はほとんどの場合、自覚症状がなく、無症候性ブルガダ症候群と言われています。

ブルガダ症候群の原因は、遺伝子の変異

ブルガダ症候群の原因は、遺伝子の変異です。

 

心筋の細胞には、イオンチャネルというイオンの通り道があります。

 

この通り道で、ナトリウムならナトリウムだけ、カルシウムならカルシウムだけという選択をしてタイミング良く開け閉めし、規則正しく心臓を収縮させて体の色々なところに心臓から血液を送り出しています。

 

ブルガダ症候群は、イオンチャンネルの遺伝子変異によって開きにくく閉じにくい性質を持っていることで起こると考えられているのです。

 

特にSCN5Aの異常が見られることが多いです。ブルガダ症候群の発症の男女比が9:1であることから男性ホルモンとブルガダ症候群の発症が関係しているとも言われています。

ブルガダ症候群は、一部の人々に突然死のリスクをもたらす遺伝性の心臓の病気です。この病状は、心臓の電気的活動に影響を与え、異常な心拍パターンを引き起こすことがあります。それでは、この症候群の原因について詳しく見ていきましょう。

 

ブルガダ症候群は主に遺伝性の病気であり、両親の一方が病状を持っていれば子供が症状を持つ可能性が50%あります。特にSCN5Aという遺伝子の突然変異がブルガダ症候群の主要な原因とされています。SCN5A遺伝子は心筋細胞の電気的活動を制御するためのタンパク質をコードしており、その突然変異により電気的信号の伝達が乱れることで異常な心拍パターンが引き起こされます。

 

しかし、すべてのブルガダ症候群がSCN5Aの変異を持っているわけではありません。事実、ブルガダ症候群を発症している人の中で約20%~30%だけがこの遺伝子変異を持っていると報告されています。したがって、他の遺伝子変異や未知の要因もブルガダ症候群の原因に関与している可能性があります。

 

また、ブルガダ症候群の発症は、体温の急激な上昇(たとえば発熱や運動によるもの)、飲酒、薬物(特に心臓に影響を与えるものや精神疾患の治療薬)、特定の電解質の異常(カリウムやカルシウムの不足)、および心臓手術などの心のストレスを増大させる状況によって引き起こされることがあります。

 

要約すると、ブルガダ症候群の主な原因は、SCN5Aという遺伝子の突然変異によるものですが、その他の遺伝子変異や未知の要素も関与している可能性があります。また、特定の生理的または環境的なストレッサーもブルガダ症候群の発症を引き起こす可能性があります。これらのストレッサーは、心臓の電気的安定性を乱し、突然の心停止を引き起こす可能性があります。

 

いくつかの研究では、男性が女性よりもブルガダ症候群を発症する可能性が高いことが示されています。男性ホルモンが心臓の電気的活動に影響を与える可能性があり、これが性差を説明する一因と考えられています。

ブルガダ症候群の症状は、突然、心室細動が起こること

ブルガダ症候群の症状は、突然、心臓が細かく震えてけいれんし、全く動くことができなくなる心室細動という不整脈が起こることです。

 

心室細動が起こると心臓がポンプの働きをすることはできないため、全身に血液を送ることができなくなります。そのため、意識を失ったりけいれんを起こしたり、呼吸がおかしくなったりするという症状が現れます。

 

ブルガダ症候群の症状の特徴として、夜中寝ているときに発作が起こることが多いということがあります。一過性の場合は、自然と通常の脈拍に改善しますが、心室細動が止まらなかった場合は命の危険もあります。

ブルガダ症候群は、心電図の特異なパターンと、心室細動と呼ばれる潜在的に致命的な心のリズムの異常によって特徴づけられる病気です。まず初めに、この症候群の全ての人が症状を示すわけではありません。実際、多くの人は自分がブルガダ症候群であることを知らずに健康な生活を送っています。それでも、ブルガダ症候群が引き起こす可能性のある症状を理解することは重要です。

 

ブルガダ症候群の症状は、しばしばその最初の兆候として突然に現れることがあります。これは、しばしば生命に関わる症状で、次のようなものを含みます。

 

心停止: ブルガダ症候群の最も深刻な可能性のある症状は、突然の心停止です。心停止は、心が完全に停止し、血液の循環が止まる状態を指します。これは通常、心室細動という危険な心臓のリズムの異常によるものです。心停止が起きると、意識を失うとともに、脈拍や呼吸が止まります。

 

不整脈: ブルガダ症候群では心のリズムの問題を経験することがあります。これは、不整脈として知られており、心拍が速すぎたり、遅すぎたり、不規則であったりします。不整脈の症状はさまざまで、めまい、息切れ、胸の不快感、心臓の動悸などがあります。

 

失神: 失神は、一時的な意識喪失であり、ブルガダ症候群でしばしば見られます。これは、心が一時的に血液を脳に送るのに十分なリズムを保てないときに起こります。失神は通常、短時間(数秒から数分)です。

 

 

 

 

 

 

夜間または安静時の突然死: ブルガダ症候群では、特に夜間や安静時に突然死するリスクがあります。これは、心室細動による心停止の結果で、通常、深い睡眠中に起こります。この症候群のある家族歴を持つ人々は、特にこのリスクが高いとされています。

ブルガダ症候群の症状は非常に深刻で、生命を脅かす可能性があります。しかし、多くの場合は症状を全く経験しないか、あるいは軽度の症状しか経験しません。

場合によっては、手術によってICDを鎖骨の下に植え込む

ブルガダ症候群で不整脈の発作が起きた時にはAEDで電気ショックを与えて、心臓のリズムを正常な状態に戻します。

 

ブルガダ症候群を改善するために有効とされる薬はありますが、不整脈の発作を完全に防ぐことはできません。

 

場合によっては、手術によってICDを鎖骨の下に植え込むこともあります。また、発作の回数を減らすための補助的な方法として内服薬を使ったり生活習慣の指導を行ったりします。

ブルガダ症候群は、心臓の電気生理学的な病気であり、突然死のリスクを持つ病態です。その改善はリスク要素、症状、一般的な健康状態によって変わります。ここでは、ブルガダ症候群の一般的な改善方法について説明します。

 

リスク評価とカウンセリング: すべての改善はまず評価から始まります。医師は健康状態、家族歴、症状、および心電図の結果を評価し、ブルガダ症候群のリスクを評価します。また、医師はこの病気の性質、リスク、および選択肢について詳しく説明します。

 

内部除細動器(ICD)の植え込み: ICDは小型の電子デバイスで、異常な心臓のリズムを検出して改善するために使用されます。ICDは心臓の近くに植え込まれ、心室細動が発生した場合に電気的ショックを送り、正常なリズムを回復します。ICDの植え込みは、ブルガダ症候群で最も一般的な改善方法であり、特に心停止を経験した場合や家族歴がある場合に推奨されます。

 

薬: 現在、ブルガダ症候群を直接改善する薬はないと考えられています。しかし、一部の薬が不整脈の頻度を減らし、ICDの適用を遅らせるかもしれません。このような薬物にはクィニジンなどがありますが、その使用は専門家による監視が必要です。

 

遺伝カウンセリング: ブルガダ症候群は遺伝性の病気であり、家族の中に他の潜在的な発症者がいる可能性があります。

 

ライフスタイルの調整: 一部では、特定の環境因子やライフスタイルが不整脈を引き起こす可能性があることを発見するかもしれません。これには、重度の疲労やストレス、一部の薬やサプリメント、さらには一部の飲食が含まれます。医師は、これらのトリガーを特定し、それらを避けるための戦略を立てることができます。

 

定期的なチェックアップ: ブルガダ症候群では、定期的なチェックアップを受けることが重要です。医師は状態をモニタリングし、必要に応じて改善の計画を調整します。心電図検査、ストレステスト、ホルターモニターなどが行われることがあります。

 

ブルガダ症候群の改善方法は、特定の状況とリスクプロファイルによります。一部の人々は積極的な介入を必要とせず、ライフスタイルの変更や定期的なモニタリングだけで病状を管理できます。しかし特に心停止を経験した人々や高リスクな家族歴を持つ人々は、ICDの植え込みなどのより高度な積極的な改善方法を必要とする場合があります。

日常生活の注意点

ブルガダ症候群は、飲酒をした後や食事をした後に不整脈の発作が起こりやすくなることもあります。そのため、禁酒をしたり腹八分目を心がけたりすることも重要です

 

発熱することで、発作が起きやすくなるという報告もあるため、風邪などで発熱したときは早めに解熱剤を飲むことも勧められています。

 

さらに、抗うつ薬やナトリウムチャネル遮断薬は、ブルガダ症候群を悪化させるということも言われています。

ブルガダ症候群の改善例

ブルガダ症候群の改善方法は個人の症状、病状の重症度、健康状態などによって大きく異なります。

 

例として、40歳の男性が突然の気絶を経験したとします。彼は救急部で心電図を受け、医師にブルガダ症候群の判断を下されました。彼には特に心臓に関連する既往症はありませんが、家族歴には父が若くして亡くなったという事実がありました。その原因は不明でしたが、父もブルガダ症候群の可能性があると示唆されました。

 

彼の改善方法は、まず彼自身とその状態について詳しく説明することから始まりました。医師はブルガダ症候群の性質、そのリスク、可能な改善方法について彼に詳しく説明しました。彼はショックを受けましたが、チームと積極的にコミュニケーションを取り、自分の状況を理解することを選びました。

 

次に、彼は心停止のリスクが高いと評価されたため、内部除細動器(ICD)の植え込みを推奨されました。彼はこの手術を受け入れ、成功裏にICDが植え込まれました。これにより、彼の心臓が再び心室細動に陥った場合、ICDが電気ショックを与えて心拍数を正常化することが可能になりました。

 

また、彼は遺伝カウンセリングも受けました。彼の兄弟と子供たちはブルガダ症候群の可能性があるため、遺伝カウンセラーは彼ら全員に心電図を受けることを勧めました。

 

さらに、彼は自分のライフスタイルを見直すことを奨励されました。彼は職場のストレスが気絶の引き金だった可能性があると考えました。それに対処するために、彼はストレス管理の技術を学び、仕事の量を減らすことを選びました。また、医師から、特定の薬物や飲食が心臓のリズムを乱す可能性があるというアドバイスを受けたので、彼はそれらを避けるようになりました。これらのライフスタイルの変更は、彼が感じる不整脈の頻度を減らすのに役立ちました。

 

最後に、彼は定期的にチェックアップを受けることを約束しました。ICDの機能チェックや、新たな症状が出た場合の迅速な対応、さらには自身の状況に関する最新情報を得るためにも、これは必要なステップでした。

 

彼の改善は、彼がアクティブに参加し、自身の健康状態を管理する意識を持っていたために、成功しました。彼は不整脈のサインを理解し、それに対応する方法を学びました。彼はICDが自分を保護してくれると感じ、日常生活に自信を持って戻ることができました。

 

この例は、ブルガダ症候群の改善方法がどのように進行するかの一例です。最重要なことは、専門家との継続的なコミュニケーションと、自身の状態についての理解です。それぞれ自分自身に最適な改善の計画を医師と一緒に作成すべきです。一部ではより積極的な改善が必要となるかもしれませんが、他ではライフスタイルの変更や定期的なモニタリングだけで症状を管理できる場合もあります。

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