総動脈幹遺残症の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年  1月11日

更新日:2023年  9月 2日

本日は総動脈幹遺残症について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 総動脈幹遺残症とは
  • 総動脈幹遺残症の原因
  • 総動脈幹遺残症の症状
  • 総動脈幹遺残症の改善方法
  • 総動脈幹遺残症のまとめ
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銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

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総動脈幹遺残症は、先天性の心疾患

総動脈幹遺残症は、先天性の心疾患です。一般的に大きな心室中隔の欠損があり、左右両心室から単一の動脈に血液を送り、大動脈や肺動脈、冠動脈に血液を届けている病気です。

 

総動脈幹遺残症は生まれてすぐに心不全症状が現れることが多いです。生まれてすぐの心不全症状は、肺血圧を合わせて起こす肺血流の増多と、総動脈幹弁の形成不全によって起こる弁の逆流によって起こります。

 

先天性心奇形の約1〜2%が総動脈幹遺残症であると言われています。

総動脈幹遺残症の原因は、発達が十分でないこと

総動脈幹遺残症の原因は、隆起が作られないこと、もしくは、発達が十分でなく動脈幹中隔が作られなかったことであると考えられています。

 

発達が不十分の場合、右心室原基と大動脈嚢の間に発生した円錐動脈幹の左右両方から現れた隆起がくっつきません。そのため、動脈幹中隔が作られないことがあるのです。

 

総動脈幹遺残症を発症している人の約35%には、22q11.2欠失症候群がみられるということもわかっています。

総動脈幹遺残症は先天性の心臓の病気の1つです。この病気は、胎児の初期の発生段階で心臓が正しく分化しないために発生します。総動脈幹遺残症の原因に関して説明します。

 

胎児の心臓の発生

心臓の発生は複雑な過程であり、この過程でのさまざまな要因による微妙な変化が先天性の心臓の病気を引き起こす可能性があります。正常な発生過程では、胎児の心臓は単一の大きな血管、総動脈幹から始まり、この血管が2つの主要な血管、肺動脈と大動脈に分かれるように分化します。総動脈幹遺残症は、この分化の過程が完了しないために発生します。

 

原因とリスク要因

遺伝的要因:特定の遺伝子変異や染色体異常は、総動脈幹遺残症のリスクを高める可能性があります。例として、22q11.2欠失症(DiGeorge症候群)は、総動脈幹遺残症の一部に見られる遺伝的異常です。

 

環境要因:妊娠中の母親が取り込む特定の薬物や物質、例えば、抗てんかん薬やアルコール、また特定の感染症が胎児の心臓の発生に影響を与える可能性があります。

 

栄養素の不足:妊娠中の母親の葉酸の不足は、心疾患のリスクを増加させる可能性があります。葉酸は胎児の脳や脊髄の正常な発達に重要ですが、心臓の発達にも影響を与えることが示唆されています。

 

糖尿病:妊娠前または妊娠中の糖尿病は、新生児の先天性の心臓の病気のリスクを高めることが知られています。

 

年齢:35歳以上の高齢の母親は、新生児に先天性の心臓の病気を持つリスクが高くなると考えられています。

 

他のリスク要因:放射線、有害な化学物質への暴露、あるいは一部の感染症も、胎児の心疾患のリスクを増加させる可能性があるとされています。

 

総動脈幹遺残症は、胎児の心臓の発達の初期段階での不適切な分化の結果として発生します。遺伝的、環境的、そして生活様式に関連する要因がこの病気のリスクを増加させることが知られています。

総動脈幹遺残症の症状は、多呼吸や体重増加不良、発汗など

総動脈幹遺残症の症状は、多呼吸や陥没呼吸、哺乳不良、体重増加不良、発汗などです。このような症状は、新生児期や乳児期早期に現れます。心不全症状が起きることによって総動脈幹遺残症が見つかることが多いのです。

 

症状の重さは肺血流の量と総動脈幹弁の逆流の程度によって変わります。 チアノーゼが現れることもありますが、チアノーゼが現れていることに気づかれないケースもあります。

総動脈幹遺残症は、先天性の心臓の病気の1つであり、胎児の心臓の発育過程で正しく発達しないことから生じます。この病態には特有の症状が伴います。

 

総動脈幹遺残症では、肺動脈と大動脈の分化が不完全で、これらの血管が1つの共通の血管、すなわち総動脈幹として存在します。このため、酸素化された血と未酸素の血が混ざり合い、体全体に供給される血には十分な酸素が含まれていません。これがさまざまな症状の原因となります。

 

 

呼吸困難: 未酸素の血が体に循環することで、新生児や乳児は通常より速くまたは浅く呼吸することが多くなります。これは特に授乳や活動中に顕著になることが多いです。

 

青色症: 体の組織や器官への酸素供給が不十分であるため、皮膚、特に唇や指先が青くなることがあります。これは特に泣いたり、活動したりするときに顕著になることがあります。

 

授乳困難: 乳児は授乳中にすぐに疲れるため、通常よりも少ない量しか摂取しないことが多い。これにより、十分な栄養を得られず成長が遅れることがあります。

 

過度の発汗: 特に授乳や泣くときに、通常以上の発汗が見られることがあります。

 

不活発: 体に充分な酸素が供給されないため、乳児は不活発で眠りがちになることがあります。

 

成長の遅れ: 上記の授乳困難や一般的な不活発さの結果として、乳児は成長の遅れを示すことが多い。

 

頻繁な感染: 循環系の問題は、免疫系の機能にも影響を与え、風邪や肺炎などの感染症にかかりやすくなります。

 

心拍数の増加: 心は血液を効果的に体中に送り出すためにより激しく動作する必要があるため、心拍数が増加します。

 

 

総動脈幹遺残症は、重篤な先天性の心臓の病気の1つであり、生まれたばかりの乳児にさまざまな症状を引き起こす可能性があります。これらの症状は、酸素不足によるものが多く、乳児の日常の活動や健康に影響を与える可能性があります。

総動脈幹遺残症の改善方法は、手術

総動脈幹遺残症の改善方法は、手術です。根本的な改善のためには、Rastelli手術を行います。肺血流が増えることによって起こる肺高血圧や心不全には、肺動脈絞扼術を行うことがほとんどです。

 

総動脈幹弁の形態の異常が強い場合は、弁形成の手術や弁置換の手術、大血管再建術などの手術が行われることもあります。

 

手術を行わずそのままにしておくと、非常に危険です。総動脈幹遺残症を改善するためには新生児期や乳児期早期に手術を行うことが必要なのです。

総動脈幹遺残症は早期の改善が重要です。以下に、総動脈幹遺残症の主な改善について説明します。

 

1. 手術

手術は総動脈幹遺残症の主要な改善方法であり、多くの場合、生後数週間から数ヶ月で行われます。手術の目的は、血流を正常化し、酸素化された血液と未酸素化された血液の混合を防ぐことです。

 

修復手術:総動脈幹から分岐する動脈の再配置を行い、大動脈と肺動脈を別々に作成します。心室中隔欠損(VSD)が存在する場合、これも修復します。これは通常、心臓の自然な組織や合成物質のパッチを使用して行われます。肺動脈への血流を増やすために、人工の心室-肺動脈接続を作成することが多いです。

追加手術:長期的には、手術後の合併症や心臓の構造上の問題のために、追加の手術が必要な場合があります。

 

2. 薬

手術前や手術後には、以下のような薬物が使用されることがある。

 

利尿薬: 体内の余分な水分やナトリウムを排泄し、心臓への負担を軽減します。ACE阻害薬またはARBs: 血圧を下げ、心臓の効率的な動作を助けます。

ディジタリス: 心臓の収縮を強化し、心拍数を減少させることで心臓の効率を高めます。

β-ブロッカー: 心拍数を減少させ、心臓の酸素需要を低減します。

 

3. 定期的な医学的フォローアップ

手術後も、総動脈幹遺残症では定期的なカルティエント専門家のフォローアップが必要です。これは、手術の結果や潜在的な合併症を監視するためです。

 

心エコー: 心臓の構造や機能を評価します。

心電図 (ECG): 心臓の電気的活動を記録し、不整脈や他の問題を検出します。心臓MRIやCT: 心臓の詳細な画像を提供し、手術の結果や構造上の変化を評価します。

 

総動脈幹遺残症は重篤な先天性の心臓の病気であり、適切な改善とフォローアップが非常に重要です。手術は病気の改善の主軸となりますが、その成功や健康な成長のためには、継続的な医学的ケアとフォローアップが不可欠です。

総動脈幹遺残症は先天性の心臓の病気であり、主要な改善法は手術ですが、それに先立ってまたはその後の管理の一部として薬での改善も行われることがあります。以下に総動脈幹遺残症の改善において使用されることがある薬について説明します。

 

1. 利尿薬

利尿薬は余分な水分とナトリウムを体から排泄することで、心臓や肺への負担を軽減するために使われます。

例)フロセミド: この薬は強力な利尿薬であり、多くの先天性の心臓の病気の改善で使用される。

ヒドロクロロチアジド: より穏やかな利尿薬で、他の薬と組み合わせて使用されることが多い。

 

2. ACE阻害薬

ACE阻害薬は血管を拡張して血圧を下げる働きがあり、心臓の仕事を減少させます。

例)エナラプリル 、リシノプリル 、カプトプリル

 

3. β-ブロッカー

これらの薬は心拍数を減少させることで心臓の酸素需要を減少させる効果があります。

例)プロプラノロール 、メトプロロール 、アテノロール 

 

4. ディジタリス製剤

心臓の収縮を強化し、心の機能を改善することがあります。

例)ジゴキシン : 特定の人において心臓の機能を向上させるのに役立つ。

 

5. 抗凝固薬・抗血小板薬

心の不整脈や手術後の合併症のリスクを減少させるために、血液が固まりにくくする薬が必要な場合があります。

例)アスピリン、ワーファリン (Warfarin)、クロピドグレル (Clopidogrel)

 

これらの薬物は、総動脈幹遺残症の症状の管理や合併症のリスクを減少させるために使われます。個人の状態やニーズに応じて、医師は最も適切な薬を選択します。

規則正しい生活をし、無理をしないことが大事

心不全や問題となるような不整脈がない場合は、学校生活の中での体育の活動を行うことはできます。激しい運動は注意をすることが必要ですが、無理をしない範囲であれば、運動を行うこともできるのです。

 

改善のために行った手術によっては、運動をする際の制限や生活を送る上での制限が必要になることもあります。

 

改善を行った後も医者の指示のもと、規則正しい生活をし、無理をしないことが大事です。

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