舌咽神経痛の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年  2月 1日

更新日:2022年  3月20日

本日は舌咽神経痛について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 舌咽神経痛とは
  • 舌咽神経痛の原因
  • 舌咽神経痛の症状
  • 舌咽神経痛の改善方法
  • 舌咽神経痛のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

舌咽神経痛は噛んだり飲み込んだりする時喉の奥などに痛みが現れる

舌咽神経痛は、噛んだり飲み込んだりする時、喉や舌の奥や耳の周りに痛みが現れることです。

 

舌咽神経痛は、体に痛みが現れる病気の中でも非常に痛みが強い病気です。痛みの程度は、三叉神経痛と同じくらいの強い痛みであると言われています。

 

痛みが強くなると、つばを飲み込んだときにも痛みが現れるようになります。

舌咽神経痛の痛みの原因は、舌咽神経に起きる強い圧迫

舌咽神経痛によって起こる痛みの原因は、舌咽神経に起きる強い圧迫です。舌咽神経が強く圧迫されると、神経に異常な信号が伝わり、強い痛みが現れるのです。

 

舌咽神経を圧迫する原因となることには、周りを走行している血管が脳と神経の間に挟まることや神経の周りに腫瘍ができることなどが考えられます。

 

舌咽神経は、脳神経の一つで、喉と舌の後ろの3分の一から耳にかけての感覚を支配しています。そのため、喉の奥や舌の奥、耳の周りに痛みが現れるのです。

舌咽神経痛は、舌や喉の神経が損傷または刺激を受けることによって引き起こされる疼痛性の病気です。この痛みはしばしば非常に強く、日常生活に重大な影響を与えることがあります。舌咽神経痛の原因は様々であり、以下にその一部を詳しく説明します。

 

感染:舌咽神経痛は、ウイルスや細菌による感染が原因となることがあります。帯状疱疹ウイルス(ヘルペス・ゾスター)感染による帯状疱疹が最も一般的な感染に関連しています。帯状疱疹は、水疱状の発疹と共に舌や喉に痛みを引き起こすことがあります。

 

神経の圧迫:舌咽神経は、顔面神経の枝である三叉神経の一部です。三叉神経の異常な圧迫や損傷は、舌咽神経痛を引き起こす可能性があります。例えば、三叉神経痛の一種である三叉神経後枝痛は、舌咽神経にも影響を与えることがあります。

 

外傷や手術:舌や喉の外傷、手術、あるいは顔面骨折による神経の損傷は、舌咽神経痛の原因となることがあります。これには、舌や喉の手術、歯の抜歯、または事故やけがなどが含まれます。

 

神経の炎症:舌咽神経痛は、神経の炎症が原因となることもあります。例えば、口内炎、扁桃炎、口腔感染症、または他の口腔の病気が舌咽神経に炎症を引き起こし、痛みを生じさせることがあります。

 

神経の異常:舌咽神経痛は、神経自体の異常が原因となることもあります。これには、神経の過敏症、神経の損傷、または神経の変性が含まれます。これらの異常は、神経の伝達に問題を引き起こし、痛みを生じさせる可能性があります。

 

自己免疫に関する病気:舌咽神経痛は、免疫系の異常によって引き起こされることもあります。自己免疫の病気(例:全身性エリテマトーデス、ループス、リウマチ)は、舌咽神経に影響を与え、痛みや炎症を引き起こす可能性があります。

 

薬物の副作用:一部の薬物(例:抗がん剤、抗うつ薬、抗てんかん薬)は、舌咽神経痛を引き起こす副作用を持つことがあります。これは、神経系への直接的な影響や血液循環への影響によるものです。

 

ストレスや心因要因:精神的なストレスや心因的な要因は、舌咽神経痛の原因となることがあります。ストレスや不安は、神経系に影響を及ぼし、痛みや不快感を引き起こす可能性があります。

 

他の病状との関連:舌咽神経痛は、他の病状や病気と関連して発生することもあります。例えば、糖尿病、口腔がん、顔面神経麻痺、または神経障害などが舌咽神経痛の原因となることがあります。

 

舌咽神経痛の原因は多岐にわたります。痛みや不快感を抱える場合は、専門家に相談することをお勧めします。

舌咽神経痛で現れる痛みは、突発的に起きる激しい痛み

舌咽神経痛の症状は、食べ物や飲み物を飲み込むときに、喉の奥や舌の奥、耳の周りに現れる強い痛みです。

 

舌咽神経痛で現れる痛みは、突発的に起きる激しい痛みです。痛みは数秒から数分間続きます。

 

食べ物や飲み物を飲み込む時やつばを飲み込む時に痛みが起こるため、食べ物を食べることができなくなり、流動食になります。あくびやくしゃみ、話すことでも痛みが起きることがあります。

舌咽神経痛は、舌や喉の神経の損傷や刺激によって引き起こされる疼痛性の病気です。この病態は人によって異なりますが、以下に舌咽神経痛の一般的な症状を紹介します。

 

舌の痛み:舌咽神経痛の最も一般的な症状は、舌の痛みです。舌の一部または全体に鋭い痛み、刺すような痛み、燃えるような痛み、または鈍い痛みが生じることがあります。この痛みは持続的で、時には非常に激しいものである場合があります。

 

咽頭の痛み:舌咽神経痛は、舌の裏側や咽頭(のどの奥)にも痛みを引き起こすことがあります。この痛みは咳やくしゃみ、食事の際の咀嚼や嚥下時に悪化することがあります。

 

神経痛の放散:舌咽神経痛は、舌や咽頭に限定されず、顔や頭部の他の部分にも痛みを放散することがあります。例えば、耳や頭、顔の側面に痛みが広がることがあります。

 

痛みのトリガー:舌咽神経痛の症状は、特定の刺激によって悪化することがあります。熱や冷、酸味、塩味、辛味、または口の中の食物や飲み物などが痛みを引き起こすことがあります。

 

神経過敏:舌咽神経痛では、舌や喉の神経が過敏になることがあります。このため、普通の刺激や触れること、さらには普通の会話や飲食によっても痛みが引き起こされることがあります。

 

疼痛の周期性:舌咽神経痛の症状は、周期的に現れることもあります。一部の患者では、痛みや症状が一定の周期で現れたり、一定の期間にわたって持続したりすることがあります。これにより、痛みの周期性が生じ、生活に大きな影響を与える場合があります。

 

神経の過敏:舌咽神経痛では、触れるだけで痛みを感じることがあります。普通の日常的な活動や口腔衛生のケア、歯磨きやうがいなどが苦痛を伴うことがあります。

 

口内の異常感:舌咽神経痛は、舌や咽頭に異常感をもたらすことがあります。この異常感は、しみるような感覚、違和感、舌や喉に異物感、または痛みによる不快感などとして現れることがあります。

 

口乾燥:舌咽神経痛では、口の中の乾燥感や唾液の減少を経験することがあります。これは、舌や喉の神経の刺激や痛みが唾液分泌を妨げるためです。

 

精神的な影響:舌咽神経痛の痛みは、心理的な健康にも影響を与えることがあります。慢性的な痛みによる不快感や睡眠障害、ストレス、うつ状態、不安感などの症状が現れることがあります。

 

舌咽神経痛の症状は、個人によって異なる場合があります。痛みの強さや感じ方、症状の頻度や持続時間は、個人によって異なる可能性があります。

舌咽神経痛の改善方法は手術

舌咽神経痛の改善方法で、最も効果的であるとされている方法は、手術です。微小血管神経減圧術という手術によって、神経を圧迫している血管を剥がして神経から離すことで、圧迫されている神経を圧迫されている状態から解放するのです。

 

痛みを和らげるために、カルバマゼピンなどの薬が使われることもあります。しかし、薬は根本的な改善方法ではなく、後で再発することや完全に痛みのコントロールができないこともあります。

薬:

 

神経痛薬(抗てんかん薬):舌咽神経痛の痛みを管理するために、ガバペンチンやカルバマゼピンなどの神経痛薬が使用されます。これらの薬物は神経の興奮を抑制し、痛みを緩和します。

抗うつ薬:舌咽神経痛の痛みに伴ううつや不安を管理するために、三環系抗うつ薬やセロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が使用されることがあります。

鎮痛剤:痛みの管理には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や鎮痛剤も使用されます。

神経ブロック法:神経ブロック法は、舌咽神経の痛みを一時的に軽減するために使用される場合があります。これには、局所麻酔薬の舌咽神経への注入、あるいは神経節ブロックが含まれます。これらの手順は医師によって実施され、効果は個人によって異なります。

 

神経刺激法:

 

VNS:これは、皮下に埋め込まれたデバイスが頸部の神経を刺激し、痛みを軽減することを目的としています。

脳深部刺激法

(Deep Brain Stimulation, DBS):舌咽神経痛の改善には、脳深部刺激法(DBS)も使用されることがあります。これは、脳の特定の領域に電極を埋め込み、電気刺激を送ることによって神経活動を変化させる方法です。

 

物理法:

 

冷却法:痛みを軽減するために、舌や喉の冷却を行うことがあります。氷のパックや冷却スプレーを使用して、痛みを和らげることができます。

温熱法:舌咽神経痛の症状を和らげるために、温熱法も使用されます。温められた湿布や温浴などの方法により、痛みや緊張を軽減することができます。

心理的アプローチ:

 

マインドフルネス瞑想:マインドフルネス瞑想は、舌咽神経痛の痛みやストレスの管理に役立つことが示されています。瞑想やリラクゼーションテクニックを学ぶことで、痛みへの対処能力が向上する可能性があります。

CBT:思考や行動のパターンを変えることにより、痛みへの反応やストレスを軽減することができます。

生活習慣の管理:

 

食事の注意:舌咽神経痛の症状を悪化させる可能性のある刺激物(辛い食べ物、酸味の強い飲み物など)を避けることが重要です。また、栄養バランスの取れた食事を摂ることも重要です。

ストレス管理:ストレスは舌咽神経痛の症状を悪化させる要因となります。ストレス管理のために、リラクゼーションテクニックやストレス軽減の方法を実践することが重要です。

サポートグループへの参加:舌咽神経痛では、同じ病態を抱える他の人の情報交換や経験共有が役立つ場合があります。舌咽神経痛のサポートグループへの参加は、情報や感情のサポートを受けることができるため、心理的な健康に寄与するかもしれません。

 

予防策の実施:舌咽神経痛を予防するために、以下の予防策を実施することが重要です。

 

正しい口腔衛生の実施:適切な歯磨き、うがいを行い、口腔の健康を維持することが重要です。

健康的な生活習慣の維持:バランスの取れた食事、適度な運動、十分な休息と睡眠を確保することで、全体的な健康状態を向上させることができます。

舌咽神経痛の改善方法は、症状の重症度や特定の要件に基づいて個別化される必要があります。

舌咽神経痛は、早く判断し、改善に取り組むことが大事

舌咽神経痛では、早く判断をしてもらい、改善に取り組むことが大事です。判断が遅くなると、長い期間にわかって、痛みがある辛い期間を過ごさなくてはいけなくなるためです。

 

舌咽神経痛では、普段は特に痺れなどがなくても突然激しい痛みが現れます。痛みの現れる場所は喉や耳ですが、神経の圧迫による病気のため、脳神経外科や脳神経内科に相談に行くことが大事です。

舌咽神経痛の改善例

舌咽神経痛は、舌や喉の神経の損傷や刺激によって引き起こされる疼痛性の病気です。

 

症例1:薬の例

Aさんは、舌咽神経痛による強い舌の痛みに悩まされていました。医師は神経痛薬のガバペンチンを処方しました。Aさんは定期的に処方された薬を服用し、痛みの軽減に成功しました。また、抗うつ薬も併用され、うつ症状の緩和もみられました。痛みの管理と精神的なサポートにより、Aさんの生活の質は改善しました。

 

症例2:神経ブロック法の例

Bさんは舌咽神経痛の痛みに苦しんでいましたが、薬での十分な痛みの管理が得られませんでした。そこで、医師は神経ブロック法を提案しました。Bさんは局所麻酔を使用して舌咽神経に神経ブロックを施しました。この処置により、Bさんの痛みは一時的に軽減され、通常の生活活動をより快適に行うことができるようになりました。

 

症例3:心理的アプローチの例

Cさんは舌咽神経痛による痛みのほかに、うつ状態や不安感も抱えていました。医師はCBTのセッションを提案しました。Cさんはセラピストと共に、痛みに対する考え方や対処方法を変えるための認知行動の技法を学びました。また、マインドフルネス瞑想も導入され、痛みへの注意をリラックスや集中にシフトさせることができました。結果、痛みに対する感じ方やストレス管理能力が向上し、心理的な健康状態も改善しました。

 

症例4:物理的な方法の例

Dさんは舌咽神経痛による舌の痛みと緊張を経験していました。医師は、冷却と温熱を組み合わせた方法を提案しました。Dさんは冷却パッドを舌に当てることで痛みを和らげ、舌の緊張を緩和しました。また、温浴や温められた湿布を使用しても痛みの軽減を実感しました。Dさんは日常生活での痛みの影響を軽減することができました。

 

症例5:総合的なアプローチの例

Eさんは舌咽神経痛による痛みと不快感に悩まされていました。医師は総合的なアプローチを取り、複数の方法を組み合わせることを提案しました。Eさんは薬と神経ブロック法を受けながら、心理的なサポートを受けることになりました。さらに、冷却やマインドフルネス瞑想も日常的に取り入れられました。Eさんは個別に調整された総合的なプランにより、痛みの管理と生活の質の向上を実現しました。

 

舌咽神経痛の改善は、症状や個別の要件に基づいてカスタマイズされる必要があります。

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