弾性線維性仮性黄色腫の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年  2月10日

更新日:2022年  4月 2日

本日は弾性線維性仮性黄色腫について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 弾性線維性仮性黄色腫とは
  • 弾性線維性仮性黄色腫の原因
  • 弾性線維性仮性黄色腫の症状
  • 弾性線維性仮性黄色腫の改善方法
  • 弾性線維性仮性黄色腫のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

弾性線維が変性することによって、皮膚や眼や血管に障害が現れる

弾性線維性仮性黄色腫は、弾性線維が変性することによって、皮膚や眼や血管に障害が現れる病気です。

 

弾性線維性仮性黄色腫は2本の遺伝子の両方に遺伝子の変異がある人に発症する遺伝性の病気です。

 

現在、弾性線維性仮性黄色腫を発症していると考えられている人は大体300人です。ただし、珍しい病気のため判断されていない人もいると考えられます。

弾性線維性仮性黄色腫の原因は遺伝子の変異

弾性線維性仮性黄色腫の原因は、遺伝子の変異です。弾性線維性仮性黄色腫は遺伝する病気です。遺伝の形式は劣性遺伝です。

 

弾性線維性仮性黄色腫を発症している人は、細胞膜で物質を運ぶ働きをするタンパク質を作っている遺伝子に異常があるということがわかっています。

 

遺伝子に異常が起きると、弾性線維が切れたり石灰化が起こるのです。そのため、皮膚や目や血管に色々な症状が現れます。

弾性線維性仮性黄色腫では、皮膚や目や血管に色々な症状が現れる

弾性線維性仮性黄色腫では、皮膚や目や血管に色々な症状が現れます。皮膚に現れる症状は、首や腋や鼠径部の弾性がなくなり、黄色の数ミリの盛り上がりができ、段々と盛り上がりの部分がたれ下がっていきます。

 

目に現れる症状は、網膜入る亀裂です。場合によっては、出血して視力が下がったり視野が欠けたりします。

 

血管に現れる症状は、障害が起きることによって虚血が起き、心筋梗塞や脳梗塞などにつながります。消化管が出血することもあります。

弾性線維性仮性黄色腫は、主に肩甲骨と肋骨の間に存在する希少な軟組織腫瘍で、中高年の女性によく見られます。腫瘍は慢性的な機械的刺激によって発生すると広く信じられていますが、具体的な原因は完全には解明されていません。

 

まず、病理学的観点から見ると、弾性線維性仮性黄色腫は非特異的な反応性の変化を示します。これは、肩の部位が慢性的な摩擦や圧迫にさらされると、組織が防御的に変化するという考え方です。組織はコラーゲンと弾性線維の過剰な生産を通じてこの変化を行います。この結果、腫瘍が形成されます。

 

この腫瘍の最も特徴的な部分は、この過剰な弾性線維とコラーゲンの間に存在する脂肪組織の斑点状の分布です。これが「仮性黄色腫」の名称の由来となります。この特異的な形成は、常に肩の特定の部位に発生します。これは、この部位が常に特定の機械的ストレスにさらされることを示していると考えられます。

 

一部の研究では、慢性的な肩の運動が弾性線維性仮性黄色腫の発症に関連している可能性が示唆されています。例えば、重い荷物を頻繁に持ち上げる作業者や、肩を頻繁に使うスポーツ選手などは、弾性線維性仮性黄色腫の発症リスクが高いと考えられます。

 

しかし、すべての人が明確な機械的刺激の歴史を持つわけではありません。これは、他の要素も弾性線維性仮性黄色腫の発症に関与している可能性を示唆しています。遺伝的要素はまだ明確には理解されていませんが、一部の家系で腫瘍が見られることから、遺伝性の影響がある可能性が示唆されています。遺伝的要素により一部の人々が弾性線維の過剰生産や脂肪組織の異常な分布に対して敏感になる可能性があります。

 

また、最近の研究では、環境要素や生活スタイルの影響も注目されています。例えば、肥満や慢性的な炎症状態、長期的なストレスなどが、組織の反応性を高め、弾性線維性仮性黄色腫の発症に寄与する可能性があります。これらの因子が総合的に働き、特定の個体で弾性線維性仮性黄色腫が発生する可能性を高めると考えられています。

 

そして、組織学的な特徴は、この病気が組織の機能と代謝の結果であることを示しています。具体的には、機械的な刺激と肩の特異的な生理学的状況が組織の反応性を高め、弾性線維とコラーゲンの過剰な生産を促します。これにより、弾性線維性仮性黄色腫が形成されます。

 

以上のように、弾性線維性仮性黄色腫の原因については完全には解明されていませんが、慢性的な機械的刺激、遺伝的要素、生活習慣や環境要素などが組み合わさって発症すると考えられています。これらの要素は、特定の人々がこの稀な腫瘍を発症するリスクを高める可能性があります。

現時点で有効であるとされている改善方法はない

弾性線維性仮性黄色腫の改善方法は、今のところありません。現時点で有効であるとされている改善方法はありませんが、遺伝子の基礎研究を行っている研究室はいくつかあるため、将来的に有効な改善方法が見つかる可能性はあります。

 

そのため、現れている症状に対して改善を行なっていくことになります。現れる症状は人によって様々で、症状の程度も個人による差が大きくあります。ただし、どのような症状でも少しずつ進んでいきます。

弾性線維性仮性黄色腫は、肩甲骨と肋骨の間の深部に主に発生する稀な軟部組織腫瘍で、一般に無症状またはほんのわずかな症状を示すことが多いです。しかしながら、一部の人は特定の症状を体験する可能性があります。

 

最も一般的な症状は、腫瘍がある部位で感じる不快感または軽度の痛みです。この痛みは、肩を動かすとき、特に上腕を体の前方または側方に伸ばすときに増強することがあります。しかし、多くの場合、痛みはそれほど強くなく、日常生活に大きな影響を及ぼすものではありません。

 

症状の一部は、腫瘍が肩甲骨の動きを妨げる場合に発生します。このような場合、肩の可動域の制限を経験するかもしれません。肩を一定の方向に動かすことが難しくなり、特定の動きを行うときに抵抗感を感じることがあります。

 

また、弾性線維性仮性黄色腫はしばしば皮下に触れることができる固定された腫瘤として体表に現れます。この腫瘤は通常、肩甲骨の下部または肋骨の上部に位置しており、特に肩を前方に動かすときによく視認できます。

 

加えて、一部では腫瘍の位置に応じて皮膚の色調変化を経験することがあります。これは、腫瘍が皮膚や周囲の組織に圧力をかけ、血流を妨げるためです。

 

弾性線維性仮性黄色腫が大きくなると、近くの神経を圧迫し、感覚異常や弱さを引き起こすことがあります。このような症状は、手や腕にも影響を及ぼす可能性があります。

 

それにもかかわらず、弾性線維性仮性黄色腫はしばしばそれに気付く前に長期間進行することがあります。なぜなら、これらの症状は一般的に漠然としており、他の多くの病気と類似しているためです。

 

そのため、肩の痛み、肩の運動範囲の制限、皮膚下に明確な腫瘤がある場合は、専門家に相談することが重要です。特に、症状が長い期間持続したり、日常生活に影響を及ぼしたりする場合は、すぐに専門家に連絡することが重要です。

弾性線維性仮性黄色腫は個人差が大きい

弾性線維性仮性黄色腫は個人差が大きい病気です。どのような症状が現れるのかということや症状の程度がどのくらいであるかということが人によって大きく異なります。

 

そのため、まずは弾性線維性仮性黄色腫であるという判断をきちんと行うことが大事になります。

 

目や血管に症状がある場合は、視力が下がったり合併症を発症したりすることもあるため、定期的に専門機関にいき、障害が起こったときにすぐに対応できるようにしておくことが大事です。

弾性線維性仮性黄色腫は比較的稀な軟部組織腫瘍で、その改善方法は個々の症状、健康状態、ライフスタイルなどにより異なります。以下に、この種の腫瘍に対する一般的な改善方法について説明します。

 

観察:まず、すべての弾性線維性仮性黄色腫が即時の改善を必要とするわけではありません。症状が無いか、或いはごく軽度で日常生活に影響を及ぼさない場合、改善を行う代わりに定期的な観察を選択することもあります。このアプローチは、積極的な観察または待機観察などと呼ばれ、健康状態を継続的にモニタリングし、必要な場合にのみ改善を行うことを意味します。

 

手術:弾性線維性仮性黄色腫が痛みや不快感、運動範囲の制限などの症状を引き起こす場合、腫瘍の除去手術が一般的な治療法となります。この手術は、一般的に開胸手術またはビデオ支援胸部手術として行われ、腫瘍を完全に除去します。手術は一般的に安全で、多くの人が手術後の改善を報告しています。しかし、手術は常にリスクを伴います。術後の感染、出血、神経損傷などの可能性があります。そのため、手術を選択する前に、これらのリスクと手術がもたらす利益を医師と十分に話し合うことが重要です。

 

リハビリテーション:手術後、リハビリテーションが推奨されることがあります。これは、肩の運動範囲を改善し、筋力を回復し、日常生活への復帰を促進するためです。リハビリテーションプログラムはニーズと目標に合わせて個別に調整されます。リハビリテーションは、短期間のものであることもあれば、数ヶ月にわたる長期的なプログラムであることもあります。

 

疼痛管理:手術が適切でない、または手術を選択しない場合は、疼痛管理戦略が重要になります。これは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)やステロイドの局所注射など、薬での改善を含むことがあります。

 

心理的サポート:弾性線維性仮性黄色腫では、本人とその家族に心理的ストレスを引き起こすことがあります。心理的サポート、カウンセリング、あるいはサポートグループへの参加は、このようなストレスを管理するのに役立つことがあります。

 

最終的には個々の状況、症状の重さ、全般的な健康状態、年齢、生活状況、個人的な選択などに基づいています。

弾性線維性仮性黄色腫の改善例

A)60歳の男性

彼は肩甲骨の下部に腫瘍を持っていましたが、彼はそれに気づいていませんでしたし、その腫瘍による不快感や制限も感じていませんでした。彼の医師は、腫瘍が成長するか症状が発生した場合には追加で改善を行うことが必要になるかもしれないと説明しましたが、現時点では観察のみを推奨しました。

 

B)50歳の女性

彼女の痛みと制限は日常生活に影響を及ぼしていたため、医師は手術を推奨しました。手術は成功裏に行われ、腫瘍が完全に除去され、彼女の症状は大幅に改善されました。その後、リハビリテーションを通じて彼女の肩の運動範囲が回復しました。

 

C)65歳の男性

右肩の腫瘍と軽度の痛みを抱えていました。彼の弾性線維性仮性黄色腫は手術で除去可能でしたが、彼は術後の回復期間や潜在的なリスクを避けたいと希望しました。彼の医師は、代わりに非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を用いた痛み管理戦略を提案し、定期的な観察を行いました。

 

D)70歳の女性

痛みは無かったものの右肩に大きな弾性線維性仮性黄色腫があり、それが彼女の日常生活に影響を与えていました。医師は腫瘍の除去手術を推奨し、手術は成功裏に実施されました。その後のリハビリテーションでは、肩の筋力と運動範囲の改善が図られました。

 

E)中年の男性

運動制限や痛みを伴う左肩の弾性線維性仮性黄色腫を抱えていました。医師は腫瘍の除去手術を行い、無事成功し、腫瘍は完全に除去されました。術後、彼はリハビリテーションを行い、肩の機能が大幅に改善しました。

 

これらの事例は、弾性線維性仮性黄色腫の改善方法が人によって大きく異なることを示しています。年齢、全般的な健康状態、腫瘍の大きさと位置、症状の重度、そして個人の希望やライフスタイルによって影響を受けます。

おすすめ記事

営業時間

11時から21時

営業日
 

11時~21時迄

休業日

年末年始

お問合せ
080-1802-9798