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公開日:2021年 6月 2日
更新日:2025年 10月17日
本日は仮性唾液過多症について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
仮性唾液過多症は、唾液過多症の中でも実際に唾液の分泌が増加しているのではなく、嚥下障害や精神的な病気によって唾液が多いと感じることです。
真性唾液過多症は、唾液の分泌が実際に多いことによって苦痛を感じる状態のことで、仮性唾液過多症は、唾液が多いと感じることで苦痛を感じる状態になるのです。
唾液過多症の中でも、実際に唾液過多になっている真性唾液過多症よりも唾液が増えたと感じている仮性過多が多いといわれています。
仮性唾液過多症の原因は嚥下障害と精神的な要因です。
嚥下障害が起きていることによって、唾液を飲み込むことができなくなり、唾液が多いと勘違いしてしまうのです。
精神的な要因では、生活リズムが乱れることなどによってストレスを感じることが仮性唾液過多症につながります。
1,病気
パーキンソン病・・・唾液分泌は正常でも、嚥下反射が遅れ、唾液が口にたまる
脳梗塞、脳出血の後遺症・・・片側の顔面麻痺や嚥下障害が残り、唾液をうまく処理できない
ALS・・・舌、咽頭の筋力が落ちて飲み込み動作が低下する
脳性麻痺・・・神経支配の未熟、運動協調性の障害で唾液がこぼれる
アルツハイマー型認知症、意識低下・・・飲み込む動作を意識的に行えない
2,筋肉、構音器官の異常
顔面神経麻痺・・・口唇閉鎖ができず、片側から唾液が漏れる
舌筋、頬筋の筋力低下・・・唾液を喉方向へ送れず、口に溜まる
咀嚼筋、舌下筋の協調不全・・・嚥下動作がスムーズに行えない
小児の発達遅延、口呼吸習慣・・・唇が常に開いており、唾液が垂れやすい
3,姿勢、生活習慣による原因
前かがみの姿勢やうつ伏せ寝・・・重力で唾液が前方に流れる
睡眠中の口呼吸・・・唾液が口角から漏れる
義歯や咬合不良・・・口腔内で唾液が停滞しやすくなる
慢性的な鼻づまり・・・口呼吸習慣が助長
4,精神的、心理的要因
ストレスや緊張、不安・・・唾液の感覚が強くなる
うまく嚥下できないことへの意識過剰・・・唾液過多と感じる
仮性唾液過多症の症状は、唾液が多いと感じることです。実際に唾液の分泌が増えているわけではないにも関わらず、唾液の量が多いと感じてしまい、日常生活を送る上でも影響が出ます。
唾液の量が多いと感じてしまうことによってストレスも増えます。
仮性唾液過多症は、実際に唾液の分泌量が多いわけではないのに、口の中や口周囲に唾液が溜まりやすい、こぼれやすい状態を指します。
これは唾液の生理的分泌亢進とは異なり、嚥下、姿勢、神経、筋肉の機能異常が原因で唾液をうまく処理できない状態です。主に唾液が口の中にたまりやすい、口から唾液がこぼれる、話すときや寝ているときに唾液が垂れる、マスクや枕が濡れる、口の中が常に湿っていて不快、喉に唾液が引っかかる感覚、唾液を飲み込む動作が多いなどです。
仮性唾液過多症は、唾液が多いというより、うまく飲み込めず、口腔や咽頭に滞留してしまうのが特徴なのです。
仮性唾液過多症の改善方法は、栄養バランスを考えた食事をすることです。医師の指導のもとで摂取する栄養を見直します。漢方薬を使うこともありますが漢方薬で改善を行っても、効果がある人とない人がいることがわかっています。
栄養バランスを考えた食事を行うことで、若い人の場合は3ヶ月で40%〜60%改善という人が多いということがわかっています。高齢者の場合は普段から薬をあまり飲んでいない人の方が効果が早いということがわかっています。
薬の量が多かったり服用していた期間が長かったりする場合は、改善のスピードはゆっくりであることが多いですが、少しずつでも改善することがほとんどです。
・口腔、嚥下リハビリ
唾液をうまく飲み込めるようにするために口唇、舌、頬の筋肉を鍛えて唾液を保つ力を回復する訓練をします。主に、口唇閉鎖訓練 、舌の運動訓練、頬の筋トレ、嚥下練習、姿勢調整嚥下法などがあります。
・姿勢、生活習慣の改善
姿勢は前かがみ姿勢を避け、頭部をやや後ろに引いた姿勢を意識します。寝るときは横向きや仰向けで、うつ伏せは避けましょう。食事中や会話時は背筋を伸ばし、口角を意識して閉じます。生活習慣は定期的に唾液を飲み込む習慣をつけましょう。口呼吸を減らし、鼻呼吸を心がけ、マスク内の湿気や唾液だまりをこまめに拭きます。枕を少し高めにして唾液の流出を防ぎましょう。
・口腔ケア、環境改善
口腔内の清潔維持、義歯や噛み合わせの調整、口腔乾燥とのバランス調整を行います。
抗コリン薬(スコポラミン、アトロピン)・・・唾液分泌の抑制をします。口渇や便秘などの副作用があります。
トリヘキシフェニジル(アーテン)・・・パーキンソン病の流涎抑制をします。長期使用で認知低下リスクがあります。
アミトリプチリン・・・抗うつ薬だが唾液抑制があります。眠気や便秘に注意が必要です。
仮性唾液過多症では、脱水症状に注意が必要です。仮性唾液過多症では、口の中が唾液で一杯になっていることでも、喉が渇いたと感じることが少なくなりますが、 人の体が1日に必要とする水分の摂取量は変わりません。
そのため、仮性唾液過多症では意識をしなければ水分を補給しないことが増え、脱水症状につながりやすいのです。きちんと水分を摂ることを意識をして生活をしましょう。
・太渓
・足三里
・湧泉
太渓に刺激をすることで、飲み込みの機能が改善することが期待できます。仮性唾液過多症は嚥下障害が原因で起こることも多いため、飲み込んだ時の飲食物の移動がスムーズになることで改善につなげるのです。
他にも血行促進や冷え性の改善、生理痛などにも効果的です。
足三里に対する刺激も飲み込みの機能の改善が期待できます。そのため、太渓と一緒に刺激をすることで、嚥下障害によって起こる仮性唾液過多症の改善につながります。
足三里は非常に様々なことに対して効果を発揮するツボで、他にも腹痛や下痢、嘔吐、足のしびれ、歯痛、歯槽膿漏などにも効果的です。
湧泉はストレスが溜まっているときに効果的なツボです。精神的なことが原因で仮性唾液過多症が起きている場合、湧泉を刺激をすることでストレスの解消が期待できます。
眠れない時や疲れている時などにも効果的です。
太渓は、アキレス腱と内くるぶしの間にあるツボです。
押すときは、片方ずつ親指を重ねて押します。約7秒ほどしっかりとツボを押しましょう。
足三里は膝の少し下にあり、向う脛より少し外側にあるツボです。
押すときは、椅子に座って押すと押しやすいです。親指を使って押しましょう。
湧泉は、足の指を曲げた時、足にできるくぼみにあるツボです。
押すときは、親指でゆっくりと押します。力加減は少し強めがお勧めです。