異食症の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2023年 2月23日

更新日:2024年 2月14

本日は異食症について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 異食症とは
  • 異食症の原因
  • 異食症の症状
  • 異食症の改善方法
  • 異食症のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

異食症は、栄養のない非食用物質を1ヶ月以上続けて摂食する病気

異食症は、発達段階に不相応で、文化的伝統ではなく、栄養のない非食用物質を1ヶ月以上続けて摂食する病気です。異食症は摂食障害の一つです。

 

異食症を発症すると、紙、粘土、土、毛、チョーク、糸、羊毛などの毒性のない物質を食べるようになります。異食症が見られることの多い時期は、妊娠中です。

 

2歳未満の小児の場合は、発達段階で不相応とはされません。2歳未満の小児は色々な物を口に入れて飲み込もうとすることがあるためです。

異食症の原因は、栄養素の不足

異食症の原因は、栄養素の不足であると考えられています。異食症は妊娠中に見られることも多い病気です。妊娠している時には、鉄や亜鉛などの必要な栄養素が不足してしまうことが多いため、発症することがあると考えられているのです。

 

妊娠している時、体は通常よりも多い量の血液をつくるため鉄分や亜鉛が不足してしまうことが多いです。そのため、鉄分や亜鉛を補おうとして体が無意識に食べ物ではない物を食べてしまうのです。

異食症は、土、紙、髪の毛、ペイント、氷など栄養価のない物質を繰り返し摂取する行動を示す心理的、行動的障害です。異食症の原因は多岐にわたり、特定の一因を指摘することは困難ですが、以下に主な要因を挙げます。

 

栄養素の欠乏

鉄分や亜鉛などの栄養素の欠乏が異食症の行動を引き起こすことがあります。欠乏している栄養素を補うため、本能的に非食品物質を摂取する行動が見られることがあります。

 

発達障害

自閉症スペクトラム障害や注意欠陥・多動性障害などの発達障害がある子どもは、異食症を発症するリスクが高くなります。これらの障害による感覚処理の問題や衝動制御の困難が、非食品物質への興味や摂取につながることがあります。

 

精神的ストレスや不安

精神的なストレスや不安、感情的な問題が異食症の行動を引き起こすことがあります。非食品物質の摂取は、不安やストレスを一時的に軽減する手段として利用されることがあります。

 

環境的要因

不適切な家庭環境や育児環境、貧困、虐待の経験など、環境的な要因も異食症の発症に関連しています。

 

文化的・社会的要因

特定の文化や社会においては、ある種の非食品物質の摂取が通過儀礼や民間療法として行われることがあります。これらの習慣が異食症のような行動につながることがあります。

 

知的障害や精神的な病気

知的障害や精神的な病気を持つ個人では、異食症の行動が見られることがあります。これらの状態は、非食品物質への理解やその危険性の認識に影響を与えることがあります。

異食症の症状は、食べものではないものを定期的に食べること

異食症の症状は、食べものではない紙や粘土、泥、毛などを定期的に食べることです。通常は異食症の人が食べるものは害にはなりませんが、場合によっては食べたものによって合併症が起こることがあります。

 

起こることがある合併症は、便秘や消化管の詰まり、鉛中毒、寄生虫感染症などです。摂取物が詰まって腸閉塞を起こすこともあります。

 

異食症を発症することで、社会的な機能が損なわれることはあまりありません。しかし、社会的な機能を損なう自閉症や知的能力障害 統合失調症などの別の精神障害をもっている人が合わせて異食症を発症することがあります。

異食症は、通常食べ物ではない物質を繰り返し食べる行動を特徴とする障害です。この行動は少なくとも1か月以上続くもので、摂取される非食品物質は栄養価がなく、しばしば個人の健康に害を及ぼす可能性があります。異食症の症状は摂取される物質によって異なりますが、以下に一般的な症状と摂取される物質の例を挙げます。

 

土や粘土の摂取(土食症):土、粘土、石灰などの土壌関連物質の摂取。鉄分や亜鉛などのミネラルの欠乏と関連があることが示唆されています。

 

紙の摂取:紙、ティッシュペーパー、段ボールなどの摂取。栄養不良や感覚処理の問題が背景にあることがあります。

 

氷の摂取(パゴファジア):極度に氷を食べる行為。鉄欠乏性貧血と関連があることが多いです。

 

髪の毛の摂取(トリコファジア):髪の毛、ひげ、糸くずなどの摂取。消化管の閉塞やその他の深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。

 

ペイントや塗料の摂取:塗料片、クレヨン、チョークなどの摂取。鉛中毒のリスクがあり、特に古い家の壁のペンキに含まれる鉛に注意が必要です。

 

洗剤や石鹸の摂取:洗剤、石鹸、シャンプーなどの化学物質の摂取。中毒や内臓への損傷のリスクがあります。

 

症状に関連する健康上の問題】

消化不良や腹痛:非食品物質の摂取は消化管の問題を引き起こすことがあります。

 

栄養不良:非栄養物質の摂取が栄養の摂取を阻害することがあります。

 

内部損傷や感染症:摂取された物質が身体内で傷害や感染を引き起こす可能性があります。

 

中毒:毒性のある物質を摂取した場合、中毒を引き起こすことがあります。

異食症の改善方法は、わかっていない

異食症の改善方法は、わかっていません。栄養が不足している場合は、栄養をきちんと摂ることが大事です。

 

また、望ましい行動を学習しながら望ましくない行動の習慣を消すために行動変容法を行うこともあります。

 

合併症がある場合は合併症の改善を行うことも必要です。消化管の閉塞に対しては手術が必要な場合もあります。異食症は数ヶ月続いて自然におさまることもあります。

異食症の改善方法は、摂取する物質の種類、年齢、異食症の背景にある原因や関連する健康問題に基づいて個別に計画されます。改善の主な目的は、非食品物質の摂取を止めさせること、栄養状態の改善、および摂取した物質による潜在的な害から守ることです。

 

1. 栄養指導とサポート

栄養不足が異食症の原因の一つである場合、特に鉄分や亜鉛などの栄養素の欠乏が疑われる場合、適切な栄養補給が推奨されます。栄養士によるカウンセリングが有効で、バランスの取れた食事プランの作成をサポートします。

 

2. 行動修正

行動修正技術: 非食品物質を摂取する衝動に対処する方法を学ぶための技術。ポジティブな行動を強化し、ネガティブな行動を抑制します。

自己モニタリング: 摂取行動を記録し、自己管理の技術を向上させる方法。

 

3. 心理的な方法

認知行動法: 不適切な摂取行動につながる思考や信念を特定し、それらを修正することを目的とします。

家族法: 特に子どもの場合、家族全体を巻き込んだ改善が有効です。

 

4. 薬物

直接的に異食症を改善するための薬はありませんが、異食症の背景にある不安や抑うつなどの症状に対処するために、抗不安薬や抗うつ薬が処方されることがあります。

 

5. 医学的介入

摂取した物質によって引き起こされた消化管の閉塞、中毒、栄養不良などの健康問題に対する改善が必要になることがあります。

 

6. 環境管理

非食品物質へのアクセスを制限することで、摂取行動を減少させることができます。

 

異食症の改善は、安全と健康を守るために、複数の専門家による協力が必要です。

異食症の改善において、直接的に異食症を対象とした特定の薬は存在しません。しかし、異食症の背後にある栄養不足、精神的な問題、または行動問題に対処するために、薬が用いられることがあります。以下に、異食症に関連する症状や条件の改善に使用される薬物の例を挙げます。

 

栄養素の補給

鉄剤: 鉄欠乏性貧血が異食症の原因の一つと考えられる場合、鉄剤の補給が推奨されます。例えば、経口鉄サプリメントや、重度の貧血の場合は静脈内鉄製剤が用いられることがあります。

亜鉛サプリメント: 亜鉛不足も異食症の背景にある場合があり、亜鉛サプリメントの投与が役立つことがあります。

 

精神的な病気の改善

抗不安薬: 不安症状が異食症の背景にある場合、抗不安薬が処方されることがあります。しかし、これらの薬は依存性があるため、慎重に使用されます。

抗うつ薬: 抑うつ症状が異食症の一因である場合、選択的セロトニン再取り込み阻害薬などの抗うつ薬が有効であることがあります。

抗精神病薬: 精神的な病気の一部の症状が異食症に関連している場合、抗精神病薬が使用されることがあります。

 

行動問題の管理

刺激制御薬: 注意欠陥・多動性障害が異食症の背景にある場合、ADHDの治療に用いられる刺激制御薬が有効であることがあります。

 

異食症のかいぜんにおいて薬を検討する際は、全体的な健康状態、異食症の原因となっている根底的な問題、および潜在的な副作用を考慮する必要があります。

 認知症によって異食行為が見られることも

異食症を発症した場合に食べるものは、土や紙、粘土や毛、木炭やチョーク、氷などです。

 

また、 認知症によって異食行為が見られることもあります。これは、食べ物の区別が付かなくなったり、満腹感を感じる脳の部分がおかされてしまい食欲を抑えることができなくなったり、味覚障害が現れて味が分からなくなったりするためです。

異食症に効果的なツボ

天柱

・風府

百会

天柱

天柱は、首の裏側にあるツボで、首の後ろの血行をよくして凝りをほぐすツボです。このツボは、自律神経失調症に有効で、自律神経を整えてくれるため、精神的な原因の異食症に効果が期待できます。

 

他にも、肩こりや眼精疲労、めまい、冷えなどに効果を発揮します。

風府

風府は、自律神経のバランスを整えるツボです。精神的な原因から異食症を発症する場合にオススメのツボです。

 

さらに風府は、刺激することで体の外に風邪の菌を追い出す働きがあります。他にも、頭痛や気管支や肺の働きの活性化にも働くとされています。

百会

百会は、自律神経を整えて精神を安定させる働きがあるため、精神的な原因で起こる異食症に効果が期待できるツボです。うつ病などの症状に対して使われることも多いです。

 

他にも、頭痛や肩こり、痔などに効果を発揮します。

ツボの位置と押し方

天柱

天柱は、首の後ろの髪の生え際にあるツボで、2本の太い筋の外側にあるくぼみにあります。

 

押すときはゆっくり3秒かけて押しましょう。暖かいタオルなどで温めることもオススメです。

風府

風府は、髪の生え際の中央から少し上にあるツボです。 

 

押すだけではなく、押した後に揉むことを繰り返す方法もオススメです。押す時の強さは痛くない程度に押しましょう。

百会

百会は、左右の耳の上を頭で結んだ所と顔の中央が交わって少しへこんだ場所にあります。

 

押すときは、両手の人差し指を使って押します。体の中心に向かって押すイメージで押しましょう。

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