銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
身体にウイルスや細菌などの病原体が入ったとき、私たちの生体内の細胞はそれらを異物と認識し随時退治をしています。その異物を退治する細胞たちのことを「免疫細胞」といい、最も多い白血球をはじめとし多くの種類がそれぞれの役割を担っています。
ウイルスや細菌などにより感染してしまった細胞を見つけて随時排除しているのがリンパ球です。リンパ球には、T細胞・B細胞・NK細胞と3つの種類があり、その中でさらにT細胞はヘルパーT細胞、キラーT細胞、制御性T細胞に分類されています。
ヘルパーT細胞
他の細胞から異物の情報を受け取り、サイトカインなどの免疫活性化物質などを産生します。
キラーT細胞
同じく他の細胞から異物の情報を受け取り、ウイルスが感染した細胞やがん細胞にとりつき、排除する、名前のとおり「殺し屋」の働きを持っています。
制御性T細胞
キラーT細胞が正常細胞を殺さないよう、キラーT細胞の働きを抑制し、免疫反応を終了に導く役割を担っています。
ナチュラルキラーT細胞
ナチュラルキラー細胞はわずか0.1%程度しか存在しません。活性化されたナチュラルキラー細胞は、非常に強い攻撃力を持ちサイトカインを産生、がん細胞を攻撃します。
そしてこれら免疫細胞たちの分化を促進し、さらには自然免疫を活性し、自らも、がんや病原体などの異物を排除する働きがあるのが「サイトカイン」です。
生体が異物に侵されないよう非常に重大な役割を担っているサイトカインですが、一方で分泌のバランスが崩れると、自らの身体を傷つけてしまい、疾患を引き起こす要因となることもあります。
サイトカインの種類
サイトカインの種類
サイトカインには炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカインの大きく二つの種類があります。
体内で異物を確認すると、免疫細胞らが炎症性サイトカインを誘導し、生体に炎症を促すことにより免疫反応を活性化させ異物を殺させます。
つまり身体に起こる“炎症”という現象は、生体内で免疫細胞が異物と戦っていることを示しているのです。
一方で、抗炎症性サイトカインは、こうした炎症などの免疫反応が過剰にならないよう抑制する作用があります。
持続的なウイルスの侵入や長期による過剰な薬剤投与などで、大量に炎症性サイトカインが放出されると、次々と炎症反応が起こります。長く続くことで抗炎症サイトカインの抑制が追い付かなくなり、結果、正常な細胞まで傷づけてしまうようになります。この現象を「サイトカインストーム」と言います。
新型コロナウイルスによるサイトカインストーム症候群
前述したような症状を新型コロナウイルスにより発症する例が数多く挙げられています。
新型コロナウイルスに感染すると体内のサイトカインが免疫細胞を放出してウイルスを排除しようとしますが、免疫細胞が過剰に反応し体内のあらゆる臓器を誤って攻撃してしまいサイトカインストームを引き起こします。
咳や発熱のみではなく、意識障害や精神状態の異常にも注意が必要といえます。精神状態の変化については、本人では気づきにくいため周囲の方の気に掛けかけが重要になってきます。
薬の長期投与によるサイトカインストーム症候群
アトピーをお持ちの方で、免疫抑制剤やステロイド薬を服薬している方が多くいますが、免疫抑制剤やステロイド薬はアトピーの症状を抑えるのと同時に、免疫力を下げます。
ステロイドは体内の免疫細胞の働きを抑えて炎症を抑え込んでいる薬ですので、長期使用により自己免疫力は当然ながらどんどん低下します。
ウイルスや細菌が体内に入ってきたときに、戦う細胞が薬により抑え込まれてしまっているため、感染しやすくなってしまっているのです。
ステロイド薬の長期使用による免疫力の低下と、サイトカインストームについて、一見関係がなさそうに思えますが、サイトカインは免疫細胞を活性化する役割を担っています。
正常であればサイトカインが放出されると強い免疫細胞たちが集まり炎症が収まりますが、ステロイド薬の長期使用により、本来働き者の免疫細胞であるT細胞やB細胞の働きが悪くなってしまうと、もっと働けと活性化を促すためサイトカインが暴走してしまうのです。その結果サイトカインストーム症候群となってしまいます。
最後に、サイトカインの暴走を抑え、免疫細胞を正常に活性化させるためにどうすればよいかをお伝えします。
結論からいうと、ビタミンDを積極的に取り入れることです。ほかにも亜鉛やビタミンCも免疫の暴走を抑える働きがあるといわれていますが、特にビタミンDが良いとされています。
これらの現象が起きないよう、常に自己免疫力を上げ、生体内のバランスを整えておくことが重要です。
ウイルスが入ってきても、生体内の細胞たちが強力かつ、互いの役割をきちんと担っていれば、一部が暴走したり、衰弱したりすることはありません。
当院では、全体のバランスを整え、お一人お一人の自己免疫力を上げ、病気になりくい身体づくりを心がけております。
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